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2020 年度 実施状況報告書

滑膜下結合組織の線維化機構に着眼した透析患者における手根管症候群発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K09487
研究機関北里大学

研究代表者

小沼 賢治  北里大学, 医学部, 講師 (80348557)

研究分担者 内田 健太郎  北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
助川 浩士  北里大学, 医学部, 助教 (60458809)
松本 俊英  北里大学, 医学部, 講師 (10623184)
佐藤 雅  北里大学, 医学部, 講師 (40611843)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード手根管症候群 / 透析 / 滑膜下結合組織
研究実績の概要

透析は手根管症候群発症(CTS)のリスクファクターであることや手根管開放術後の再発率が高いことが報告されている。しかし、その原因、病態は未だ明らかになってない。本年度は手根管症候群患者の滑膜下結合組織(SSCT)におけるI型コラーゲン(COL1A1)、III型コラーゲン(COL3A1)の発現を検討した。また、COL1A1,COL3A1の制御因子である結合組織成長因子(CTGF), トランスフォーミング増殖因子β(TGFB), Hypoxia inducible factor-1(HIF1)の発現を検討した。手根管開放術を施行した112例のうち、リスク因子としての報告がある過体重、肥満患者を除外した62名(透析患者16名、非透析患者46名)を検討に用いた。透析患者、非透析患者における平均年はそれぞれ69.4±1.7歳、70.2±1.9歳であり有意な差は認められなかった(P=0.802)。男女比は10:6, 15:31であり有意な差が認められた(P=0.036)。 リアルタイムPCRを用いてSSCTにおけるCOL1A1, COL3A1の発現を検討した結果、透析患者のSSCTにおける COL1A1, COL3A1の発現は非透析患者に比して有意に高かった(COL1A1, P=0.032; COL3A1, P=0.038)。透析患者におけるCOL1A1, COL3A1の発現はHIF1の発現と高い相関を示した(COL1A1, r=0.540, P=0.031; COL3A1, r=0.548, P=0.028)。一方、CTGF, TGFBとCOL1A1,COL3A1との間に相関は認められなかった。HIF1は肺や肝臓などの種々の臓器の線維化に関与することが報告されている。HIFを介したコラーゲン産生増加は透析患者におけるCTS発症リスクの増加に一因となるかもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

透析患者の滑膜下結合組織におけるコラーゲン発現増加とその制御候補因子を明らかにしており、概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

HIF1の制御因子の同定、免疫担当細胞の関与を検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 手根管症候群患者の滑膜下結合組織におけるHIF-1α発現と線維化関連因子との関連性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      横関雄司、内田健太郎、中脇充章、小沼賢治、助川浩士、見目智紀、大貫裕子、井上玄、高相晶士
    • 学会等名
      第35回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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