肩腱板は人体の中でも腱断裂の発生頻度が高い部位であり、慢性的な腱板断裂においては筋変性を合併することが知られている。特にPDGFRα陽性間葉系前駆細胞が起源とされる腱板構成筋の筋内脂肪浸潤は腱板断裂後の不可逆的な変化とされており、その予防および抑制が臨床的に重要な課題となる。本研究の目標は、腱板断裂後の筋変性機序を解明し、その抑制・予防法を確立することであった。本研究の一連の成果により筋変性の抑制が可能になれば、良好な筋状態を保つことにより肩腱板断裂に対する治療成績が向上し、また高齢者において問題となるサルコペニアなどの筋変性予防にも繋がっていくことが期待できる。
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