研究実績の概要 |
1.研究の目的:自家脱細胞化筋肉基底膜(decellularized isogenic muscle basal lamellae; DIMBL)含有チューブとDANBL(decellularized allogenic nerve basal lamellae; DIMBL)含有チューブとでそいの神経再生を比較すること。 2.研究の方法:1) DIBMLチューブの作成:Lewisラットを用いて腓腹動静脈茎を挙上し、大腿部に翻転し、坐骨神経に20mm欠損を作成し、それを腓腹動静脈茎含有シリコンチューブ(VCT)で架橋した。 2) DIMBL,DANBLの作成:ラットの大腿四頭筋より筋肉を採取し、液体窒素を用いて、1mmX1mmX20mmのDIMBLを作成した。同様にDAラットの坐骨神経を液体窒素処理して、20mm長のDANBL を作成した。3) 骨髄間葉系幹細胞(BMSC)の移植:Lewisラットの大腿骨、脛骨より骨髄を採取し、in vitroで培養し、5-6 passageのBMSCを作成した。VCT内に20mm長のDIMBLと1X107個のBMSCを移植した群(VMC)、VCT内に20mm長のDANBLと1X107個のBMSCを移植した群(VNC)を作成した。4)移植後:12週、24週の時点でVMC, VNC群それぞれ8匹の坐骨神経の運動神経伝導速度、足部内転筋でのCMAPを測定した。また24週での再生神経遠位端から5mm中枢部で切片を作成し、トルイジンブルー染色し、有髄神経軸索総数、平均軸索直径を測定した。 3.研究の結果:電気整理的、組織形態学的にVNCはVMCより有意に良好な神経再生を示した。 4. 結論:DIBMLでは、DANBLに比較して、基底膜間の距離が小さく、Schwann cellがDIBMLに侵入できなかったものと考えられる。
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