研究課題/領域番号 |
20K09494
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
國府田 正雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50361449)
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研究分担者 |
古矢 丈雄 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00507337)
出沢 真理 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50272323)
山崎 正志 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50281712)
高橋 宏 東邦大学, 医学部, 講師 (80597047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 細胞移植 / 再生医療 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は脊髄損傷慢性期に対するMuse細胞移植の有効性を明らかにすることである。 脊髄損傷は慢性期になると空洞形成・グリア瘢痕により再生が非常に困難な環境となるため脊髄損傷慢性期に対して有効な治療法は確立されていない。Multi-lineage differentiating Stress Enduring cell (Muse) 細胞は出澤が発見した生体に内在する非腫瘍性の多能性幹細胞であり、腫瘍形成の危険が極めて低く、細胞移植のソースとして非常に理想的な細胞である。ラット脊髄損傷モデルを用いた実験で有効性が確認され、現在すでに脊髄損傷(亜急性期)を対象とした治験が開始されている。慢性期脊髄損傷に対するMuse細胞の治療効果については検証されておらず、本研究にて有効性を明らかにできれば、臨床応用に近づく。本研究計画ではラット脊髄損傷モデルを作成、慢性期にMuse細胞を移植し、行動学的・組織学的解析を行い、ラット慢性期脊髄損傷に対するMuse細胞移植の有効性確認・作用機序解明し、前臨床POCの取得を目指すという全体計画の元研究を実施している。 ラット脊髄損傷モデルを作成、損傷後6週経過後に再び全身麻酔をかけて損傷部を露出、Muse細胞を直接注入した。対照群には溶媒のみを同様に投与。令和2年度は主に対照群の作成を行った。Muse細胞移植は技術的問題にてようやく開始したところであり、現時点ではまだ比較検討はできていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脊髄損傷部への細胞移植の技術的ハードルが想定以上に高かった。瘢痕化しており、ガラスマイクロピペットの刺入および粘ちょう度の比較的高い細胞懸濁液の注入がSmoothにできず、脊髄にさらなる損傷を与えてしまうことがあり、十分な条件検討を要した。
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今後の研究の推進方策 |
上記ハードルに対する条件検討はすでに行ったので、引き続きMuse細胞移植群のモデル作製を行い、行動学的解析・組織学的解析等を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述のごとく実験の技術的問題にてやや遅れが生じたため、計画と比べ使用額がやや減った。しかし計画の遅れを取り戻すために令和3年度はより多くの実験を行う予定であり、この差額分(当該助成金)は有効に使用できるものと考える。
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