研究課題/領域番号 |
20K09503
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安藤 渉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (40833687)
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研究分担者 |
菅野 伸彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (70273620)
高尾 正樹 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30528253)
PEZZOTTI G. 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (70262962)
濱田 英敏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (90778705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 特発性大腿骨頭壊死症 / ラマン分光分析 / 自己免疫疾患 |
研究実績の概要 |
特発性大腿骨頭壊死症(Osteonecrosis of the femoral head; ONFH)も国の指定難病の一つである。ONFHの病態に関連する因子として、ステロイドやアルコールなどがある。手術時に摘出された大腿骨頭をマイクロCTで壊死域と健常域を同定し、中央冠状面のそれぞれの領域からラマン分光分析を行った。ステロイド関連が14股、アルコール関連が8股であり、これらを比較したところ、脂質/タンパク質比が、ステロイド関連 3.4±3.0がアルコール関連1.3±0.5と有意に高く、アルコール関連とステロイド関連で差異を認めた。 ONFH大規模疫学データである新規ONFH患者15049名臨床調査個人票データを解析し、アルコール関連の割合は、性別に関わらず東京と沖縄が全国に比べ有意に多く、地域性があり、地域における飲酒量や遺伝的背景の差異が寄与する可能性があることを明らかにした。 ONFHにおいて、大腿骨頭圧潰の程度は病期分類の基準の 1 つであり、ONFH患者における大腿骨頭圧潰幅と股関節痛またはQOLスコアとの関係を調査した。VAS、JHEQ疼痛、JHEQ運動、JHEQ合計スコアは、大腿骨頭圧潰幅と有意に関連していた一方、OHSおよびSF-12v2については、どのサブスケールまたは合計スコアにおいても群間に有意差は見られず、ONFH 患者では、MFHC の 1 mm の差は、一部の疼痛 VAS および QOL 転帰の悪化と関連していた。また、ONFHの骨頭圧潰と解剖学的な因子が関連しているか、調査したところ、矢状断での寛骨臼の被覆率は骨頭圧潰とほとんど関係ないと考えられ、LCEA低値と骨頭圧潰のリスクにわずかな関連があることが明らかとなった。 以上のように、ONFHに対する、病態や疫学、QOL, 解剖学的特徴の一部が明らかとなった。
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