研究課題/領域番号 |
20K09511
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
谷端 淳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00508426)
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研究分担者 |
南沢 享 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40257332)
暮地本 宙己 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60632841)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 筋萎縮抑制 / サルコリピン / 筋小胞体 / 筋小胞体Ca2+ ATPアーゼ / 細胞内Ca2+ |
研究実績の概要 |
萎縮骨格筋や筋疾患では筋小胞体にCa2+を取り込む筋小胞体Ca2+ ATPアーゼ (SERCA)の機能を抑制する筋小胞体タンパク質・サルコリピンの発現が増加し、細胞内Ca2+濃度が上昇することが知られている。しかし、筋小胞体Ca2+再取り込み機能低下に伴う細胞内Ca2+濃度上昇が筋萎縮を来す詳細な機序は不明である。そこで「筋小胞体Ca2+再取り込み機能維持による細胞内Ca2+濃度の適正化が筋の恒常性維持に寄与する」と仮説をたて、サルコリピン欠失に対する筋萎縮誘導が筋萎縮の程度に及ぼす実験を行った。 しかし、残念なことにサルコリピンKOマウスに対して筋萎縮を誘導すると野生型筋萎縮誘導モデルと同様に筋が萎縮し、筋萎縮の抑制効果は認められなかった。このことはサルコリピンがcalcineurinを介して筋肥大に関わるという報告やサルコリピンを欠失すると筋の再生が遅延するという報告と一致する。そこで、サルコリピンを完全に欠失したノックアウトマウスではなく、サルコリピンヘテロ欠損マウスを用いて同様の検討を行った。しかし、この検討もサルコリピンノックアウトマウス同様、野生型と比較して違いは認められなかった。 即ち、サルコリピン欠失はSERCA機能を改善させる一方で、サルコリピンは筋の恒常性維持にも関わるため、サルコリピンの発現を抑制すると骨格筋の恒常性が損なわれる可能性が示唆された。従って、仮説の証明をするにあたりサルコリピンを標的とすることは適切でない可能性がある。
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