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2020 年度 実施状況報告書

尿路手術に応用しうる新規可溶性合金の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09526
研究機関神戸大学

研究代表者

日向 信之  神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (10598816)

研究分担者 藤澤 正人  神戸大学, 医学研究科, 教授 (30243314)
向井 敏司  神戸大学, 未来医工学研究開発センター, 教授 (40254429)
岡村 泰義  神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (90806100)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード可溶性合金 / 尿路手術 / 自動縫合器 / 新膀胱
研究実績の概要

従来は生体に非吸収性のチタンが用いられてきた自動縫合器に応用するための新規可溶性合金を開発し、自動縫合器を用いた腸管利用新膀胱造設術に応用するために、まずは計算シミュレーションに基づく亜鉛合金の組成を検討し、モデル合金を試作する。その後、試作材について、成形性や強度、溶解性を評価することにより最適な合金の組成を選定する。続いて、この合金をステープル型に成形し、小型動物(ラット)の膀胱内に全身麻酔下に手術で埋植し、飼育後に膀胱を摘出し、尿路内でのステープルの溶解性、強度を評価するとともに、合金の埋植が生体に及ぼす影響につき検討する。引き続き、大型動物(ブタ)の膀胱内に全身麻酔下に手術で新規可溶性合金ステープルを埋植し、3カ月間飼育した後に安楽死させ、埋植部の組織結合性、縫合部周囲の炎症、結石形成性を評価することにより、尿路に使用した場合の安全性と有用性につき検討する。この自動縫合器に応用し得る新規可溶性合金の開発により、安全で低侵襲な新膀胱造設術を開発する基盤とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.合金試作:合金成分を選定し、複数のモデル素材を鋳造試作する。試作した鋳造モデル素材について、2段階の熱間押出加工を施すことにより、合金素材の内部組織改良を実施し、研究材料を作成した。
2.細線素材創製とステープル試作:押出加工によりステープル素材となる細線の制作実験を行い断面寸法φ0.5mm程度の細線を製作する。さらに押出条件を最適化することで、力学的特性を向上させる。これらにより力学的特性が高くステープル形状へ成形加工可能な亜鉛合金線材を作成する。さらに、チタンと比較して軟質な亜鉛合金線をステープル形状に成形し、ステープルとして具備しておくべき機能、つまり屈曲せずに組織に打ち込み可能で、かつ確実な締結力を保持させるために、最適な「サイズ×形状」を見出した。
3.力学的変形応答の評価:ステープルの線長が座屈荷重に及ぼす影響を評価し、現行品の材料である純チタンと屈曲強度を比較し、純チタンと同等以上の座屈荷重を確保できることを確認する。その後、ヒトの膀胱壁あるいは腸管壁を模擬したシリコンゴムシートを用いた貫入試験を実施し、ステープルが屈曲せずに貫入することを確認した。
4.小型動物(ラット)の膀胱へのステープルの適用試験:試作されたステープルについて、尿路内留置後の経時変化を確認するため、10週齢のオスのラットを全身麻酔下に開腹、膀胱切開し、膀胱内に試作したステープルを打ち込み術後も飼育を継続する。チタンステープル(コントロール群)と新規亜鉛合金ステープル(濃度組成の異なる3種類)を用いて行う。術後1ヵ月、3ヵ月のラットを安楽死させ、新規亜鉛合金ステープルの溶解性、強度、尿路結石の形成、周囲組織の病理組織学的解析を行った

今後の研究の推進方策

概ね予定通りに進行しているため、今後は大型動物(ブタ)の膀胱へのステープルの適用試験を予定している。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症に対する兵庫県における緊急事態宣言、まん延等防止措置等の発令により、予定通りの支出を行う事が出来なかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Development of bioabsorbable zinc?magnesium alloy wire and validation of its application to urinary tract surgeries2020

    • 著者名/発表者名
      Okamura Yasuyoshi、Hinata Nobuyuki、Hoshiba Taichi、Nakatsuji Tatsuya、Ikeo Naoko、Furukawa Junya、Harada Kenichi、Nakano Yuzo、Fukumoto Takumi、Mukai Toshiji、Fujisawa Masato
    • 雑誌名

      World Journal of Urology

      巻: 39 ページ: 201~208

    • DOI

      10.1007/s00345-020-03138-7

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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