研究実績の概要 |
令和3年度においては、癌組織でのFH・SDHおよびNrf2・Keap1遺伝子異常の検索、免疫回避機構に関与しているPD-L1・制御性T細胞(Treg)・tumor-associated macrophages (TAMs) の遺伝子異常および熱ショックタンパク質(Heat Shock Protein, HSP)の遺伝子異常)を検討した。作年度作成した44種類の因子に対する684ampliconのprimerを使用し、腎癌症例32例と尿路上皮癌症例32例につき手術により摘出した組織を用い、QIAamp DNA Mini Kitを用いてDNAを精製し、次世代シークエンス(Next Generation Sequencing, NGS)法により解析を行った。 得られた解析結果を8グループに分け詳細に検討を行った。 1)SDHA, SDHB, SDHC, SDHD, FH 2)KEAP1, NFE2L2 3)PBRM1, BAP-1, VHL 4)AKT1, PTHRP, RET 5)RhoA, RHOB, RHOC, RHOG, ROCK1, ROCK2 ,ARHGDIA, ARHGDIB, ARHGDI, KRAS 6)cAMP, CD4, CD8, PD-1, PD-L1(B7-H1), CTLA, B7-H4, CD39(ENTPD1), CD73(5'-NT,NTSE), ADORA2B, ADORA2A 7)HIF1A, HIF1B, HIF2A, HIF2B 8)HSP90AA1, HSP90AB1, HSP90B1, TRAP1, HSF1 検出された遺伝子変異に基づき、変異数を0・1・2・3-5・6-9の5群に分け検討した。また、変異の種類についても検討し共通変異が何例に認められたか、更に終止コドンとなる変異およびフレイムシフト変異が何例に認められたかについて検討を行った。
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