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2021 年度 実施状況報告書

アデノシン受容体シグナルに着目した低活動膀胱の病態生理解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K09548
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

高岡 栄一郎  国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (50625340)

研究分担者 小島 崇宏  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40626892)
根来 宏光  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80708595)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード低活動膀胱 / 骨盤神経損傷 / アデノシン受容体 / コリンエステラーゼ阻害剤
研究実績の概要

低活動膀胱は近年提唱され、生命予後にも直結した重要な疾患概念であるが、病態生理は不明であり確立された治療法は存在しない。本研究では、我々が先行研究から得た知見をもとに“低活動膀胱では発症早期から膀胱粘膜上皮や筋層におけるアデノシン受容体シグナルのmodulationが生じることで膀胱リモデリングが進行し、膀胱線維化ひいて非代償性膀胱機能不全に至るのではないか”という仮説をたてた。我々が新規確立した骨盤神経損傷による低活動膀胱モデルラット(Pelvic Nerve Crush rat: PNC rat)の長期経過観察における膀胱線維化、アデノシン受容体発現変化ならびに薬物介入効果を評価することで、低活動膀胱の
病態生理解明、新規治療法開発を目的とする。学術的な問いは「アデノシン受容体シグナルが膀胱リモデリングに関与するか」という点である。初年度、2年度ではPNCラットの再現性を確認し、検体のストック、パネル作成を進めた。3年目では新規コリンエステラーゼ阻害剤の低活動膀胱治療薬としての可能性に着目しPNCラットに対し投与実験を行い、その治療効果について検討した。結果、新規コリンエステラーゼ阻害剤投与によってPNCラットの排尿間隔短縮、排尿時排尿筋収縮圧の増大、排尿効率の改善を認め低活動膀胱への新規治療薬としての可能性を見出した。最終年度では検体パネルのRTPCR、アデノシン受容体アゴニスト、アンタゴニスト膀胱内注入による治療効果の解析、ならびに長期経過観察群に対する新規コリンエステラーゼ阻害剤の治療効果に関する検討を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PNCラットが低活動膀胱のフェノタイプを有することを確認でき、コントロール群とPNC群の検体パネル採取、保存も進んでいる。さらには新規コリンエステラーゼ阻害剤の低活動膀胱モデルに対する治療効果を確認できたため研究はおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

これまでに採取、保存した検体パネルのRTPCRやウエスタンブロットを行い、アデノシン受容体サブタイプの発現変化を評価する。その結果を踏まえ、アゴニスト、アンタゴニストの膀胱内注入による治療効果の解析を行う予定である。さらに昨年度、治療効果を確認できた新規コリンエステラーゼ阻害剤を長期経過観察群に投与し、その治療効果について評価する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスパンデミックの影響で学会旅費の大部分が不要となったため。次年度使用計画として免疫染色、ウエスタンブロットに関連した試薬、抗体購入費ならびに実体顕微鏡、パワーラボ購入による使用を検討している。

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公開日: 2022-12-28  

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