研究課題/領域番号 |
20K09555
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坂本 信一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70422235)
|
研究分担者 |
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
金田 篤志 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10313024)
今村 有佑 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10568629)
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 助教 (20449838)
坂井 和子 近畿大学, 医学部, 講師 (20580559)
川上 英良 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30725338)
落谷 孝広 東京医科大学, 医学部, 教授 (60192530)
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | L型アミノ酸トランスポーター / LAT1 / ARV7 / 4F2hc / 前立腺癌 / Liquid Biopsy / cfDNA / CRPC |
研究実績の概要 |
1.前立腺癌細胞において、L型アミノ酸トランスポーター1(LAT1)とヘテロダイマーを構成するSLC3A2/4F2hcの解析を行った。 C4-2細胞をsi4F2hcで処理すると、細胞の成長、移動性、浸潤性の能力が抑制されることがわかり、この効果は細胞周期を通じて起こり、S期が有意に減少し、G0/G1期が有意に増加して細胞周期の停止が示唆された。また、4F2hcの下流分子がSKP2であることがRNA seqによって証明された。si4F2hcは、下流の標的であるSKP2を介して、サイクリン依存性キナーゼインヒビター(P21cip1、P27kip1)のタンパク質発現をアップレギュレートする。4F2hcの高発現は無増悪生存率の独立した予後因子であった(HR 11.54, p=0.0357)。また、4F2hcの高発現は、腫瘍の臨床病期(p=0.0255)およびグリソンスコア(p=0.0035)と関連していた。 2.我々は、初代PC細胞であるLNCaPと、LNCaPから派生したAR-V7を発現するCRPC細胞であるLNCaP95を比較して、エピゲノムとトランスクリプトームの解析を行った。ChIP-seq解析で同定された399個のAR-V7標的領域のうち、377個はホルモン刺激を受けたARが共通して標的となりうる領域であり、22個はAR-V7が特異的に標的とする領域であった。78個のAR-V7標的遺伝子のうち、74個はAR-V7共通の標的遺伝子、4個はAR-V7特異的な標的遺伝子であり、AR-V7ノックダウンによって最も抑制された遺伝子としてSLC3A2/4F2hcを同定した。SLC3A2/4F2hcは、LAT1の結合分子であった。臨床的なCRPC組織で有意に発現しており、これらをノックダウンすることで、アポトーシスや成長停止を介してLNCaP95の細胞増殖を有意に抑制することがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎研究では、業績に記載した二つの論文がRevise中(MajorとMinor Revise)である。 また、関連する臨床論文も8報ほど受理されている。 以上から、順調に進んでいるとおもわれる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、①Liquid Biopsyとして、ExosomeにおけるLAT1の解析を進める。②また、AIを介した臨床指標とゲノム解析を進めていく。③LAT1の結合蛋白である4F2hc/SLC3A2の泌尿器がんにおける解析を進めていく方向性を考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
一部物品の購入に差額が発生したため
|