研究課題/領域番号 |
20K09562
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
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研究分担者 |
田口 和己 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (00595184)
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
安藤 亮介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30381867)
松永 民秀 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (40209581)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80551267)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 尿路結石 / マクロファージ / 貪食 / 結晶溶解 / オステオポンチン / 化合物ライブラリー |
研究実績の概要 |
[1] 培養マクロファージ(Mφ)を用いたM1/M2Mφ結晶貪食解析法の確立 ① 培養Mφを用いたM1/M2誘導による貪食解析 申請時の計画では、ヒト由来Mφ細胞株を用いて炎症性Mφ(M1)/抗炎症性Mφ(M2)に分化させシュウ酸カルシウム1水和物(COM)結晶の貪食解析研究を行う予定であったが、継代培養を行えるヒト細胞株が存在しないことが判明し、マウス培養細胞に変更した。マウス培養Mφを、IFN-γ投与でM1に、IL-4投与でM2に分化させ、イメージングサイトメーターInCell Analyzer 6000を用いた蛍光標識シュウ酸カルシウム一水和物(f-COM)結晶の貪食試験を行った。貪食能の定量化は良好なデータを得られたが、予想に反しIFN-γ・IL-4投与によってf-COM結晶貪食率に明確な差異は得られなかった。現在その原因を探索中である。 ② 既存薬ライブラリーによる貪食能の亢進薬の選出 既存薬ライブラリー FDA-approved Drug Library (384-well)-L1300を用い、マウスMφのf-COM結晶の貪食能を亢進させる薬剤を探索するための研究である。約2600種類の既存薬ライブラリーのリストから、PubMedで「Kidney stone」のキーワードで文献を抽出し得た約800種類の薬剤を選出し、一次スクリーニングを開始した。正確な結晶貪食を確認するため、全自動生細胞イメージング解析システム IncuCyteを用いた解析法を導入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
M1/M2への培養マクロファージの分化は予定通りには貪食率の変化を捉えられなかったが、正確な貪食率解析のため、InCell Analyzerによる解析からIncuCyteによるより正確な解析方法を確立した。 また最も難易度が高いと想定していた既存薬ライブラリーの導入と解析を、専属研究者を雇用することで解決した。
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今後の研究の推進方策 |
[1]既存薬ライブラリーによる貪食能変化についての解析を継続する。 [2]OPN欠損マウスを用いたマクロファージ分布解析・貪食解析として、OPN添加f-COM結晶のMφ貪食試験と、OPN欠損マウスの腎結晶・Mφを用いた貪食解析を開始する。 [3] ヒトiPS細胞由来Mφを用いた腎結石貪食解析として、ヒトiPS細胞由来MφのM1/M2への分化誘導とf-COM結晶貪食解析、ならびにヒトiPS細胞由来Mφの腎結石の貪食解析と貪食促進薬の効果判定を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
培養Mφを用いたM1/M2マクロファージ結晶貪食解析法の確立をする計画であった。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。このため次年度使用が生じた。次年度は残した計画を実施し、次の計画「オステオポンチン(OPN)欠損マウスを用いたマクロファージ分布解析・貪食解析」を進めて行きたい。
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