研究課題
我々が開発した免疫学的に評価可能なimmunocompetent syngeneic前立腺癌マウスモデル(去勢感受性癌および去勢抵抗性癌モデル)を用いて、内分泌療法(ADT)やアンドロゲンレセプターを標的にした治療(ART)および他の増殖シグナルpathway(JAK1/2、PI3K/AKT)をターゲットにした治療に加え、抗PD-L1抗体や抗CTLA4抗体を用いて免疫チェックポイント分子阻害による腫瘍微小免疫環境の変化について基礎的検討を行った。研究結果として、ADTにより腫瘍の微小環境は炎症性分子をエンハンスし腸内細菌叢の組成が変化すること、ADTは骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)や免疫抑制性T細胞(Treg)の誘導を促進させるがJAK1/2阻害と抗PD-L1併用やA2aR阻害と抗CTLA4抗体の併用により、免疫抑制細胞の腫瘍への浸潤を抑制し、樹状細胞の再活性化やCD8+T細胞の活性により腫瘍縮小効果が認められた。免疫チェックポイント阻害治療はmonotherapyでは腫瘍縮小効果を引き出すのが難しいが、追加の併用療法で免疫抑制的な腫瘍微小環境をリモデリングし抗腫瘍効果が得られた。前立腺癌マウスモデルを用いた他の研究成果として、①ADTと前立腺癌進行の腸内細菌層の経時的変化について、②Apalutamide治療の免疫と分子の反応について、2022年の日本癌学会(JCA)で報告した。(演題番号:J-1001、E-1056、J-2061、P-2387、E-3011、P-3286)また、2023年4月開催の米国癌学会(AACR)ではこれらのupdate結果がAcceptされ報告している。(学会発表欄参照。)
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International journal of urology
巻: 29 ページ: 793-798
10.1111/iju.14894