研究課題/領域番号 |
20K09593
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平田 哲也 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (30431860)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子宮内膜症 / 上皮 / エストロゲンレセプター |
研究実績の概要 |
子宮内膜症上皮の分離培養に成功し、不死化細胞を樹立することで子宮内膜症上皮細胞にフォーカスした研究が可能となった。今回は、エストロゲンレセプターのリン酸化が卵巣子宮内膜症の上皮で活性化していることを明らかにした。このエストロゲンレセプターのリン酸化は、エストロゲンを介さずにエストロゲンレセプターを活性化する役割があり、特に乳癌の領域で研究されている。卵巣子宮内膜症におけるエストロゲンレセプターのリン酸化は、子宮内膜、深部子宮内膜症と比較し、有意にそのリン酸化レベルが高いこと。蛍光二重染色により、エストロゲンレセプターのリン酸化とMAPKのリン酸化が高頻度に共局在していることがわかった。また、培養細胞を用いた検討により、エストラジオールにてエストロゲンレセプターのリン酸化が活性化すること、TNFaでもエストロゲンレセプターのリン酸化が活性化することを明らかにした。子宮内膜症におけるエストラジオール濃度は高濃度であることが報告されていることから、エストロゲンレセプターのリン酸化レベルを活性化し、エストロゲンレセプターを介する経路が活性化している可能性がある。今回、子宮内膜症における研究成果としては、我々の知る限り初めての知見である。現在、論文投稿準備中である。また、子宮内膜症上皮の網羅的遺伝子解析によって候補となった遺伝子について、子宮内膜症上皮を用いた検討を行い、現在はマウスモデルによる検討を行っている。また、子宮内膜症と子宮内膜の上皮におけるある分子の発現パターンの違いを明らかにしており、それについても論文として投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3年間を通して考えた場合に、当初の予定より、COVID19の感染状況や物品の供給不足などの点で、研究の進行に遅延が生じているため、研究費の繰り越しを行っている。今年度中に論文投稿なども進め、予定のところまで完遂する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
3年間を通して考えた場合に、当初の予定より、COVID19の感染状況や物品の供給不足などの点で、研究の進行に遅延が生じているため、研究費の繰り越しを行っている。今年度中に論文投稿なども進め、予定のところまで完遂する予定である。特に得られた結果から新規の研究計画を考案し、部分的に開始している。
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次年度使用額が生じた理由 |
3年間を通して、COVID19の影響と物品供給の問題で、研究進行に遅延が出たが、今年度中に予定の計画を完遂する予定である。
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