研究課題/領域番号 |
20K09611
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (90271220)
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研究分担者 |
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 教授 (10306136)
高橋 宏典 自治医科大学, 医学部, 教授 (80544303)
大倉 定之 日本医科大学, 医学部, 助教 (10731036)
根岸 靖幸 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50644580)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 産科学 / 妊娠 / 胎盤 / DROSHA |
研究実績の概要 |
この研究は、DROSHAの胎盤における新しい機能解明を目指す基盤研究であり、栄養膜細胞におけるDROSHAの新機能、特に周産期ウイルス感染症に関連した新しいウイルス防御機構の解明と、DROSHAに結合している胎盤由来ノンコーディングRNA(ncRNA)、コーディングRNA(mRNA)の役割、異常妊娠での病態を明らかにすることを目的としている。 初期および満期胎盤の免疫染色によるDROSHA発現に関する比較解析を進めた。DROSHAは、初期と比較して満期において、絨毛表面を覆っている合胞体栄養膜細胞の頂上測細胞質に、より豊富に分布していることが明らかとなった。満期胎盤絨毛の先端部位を用いた抗DROSHA抗体によるfCLIP解析(胎盤栄養膜細胞のDROSHAに結合しているRNAのシーケンシング解析)のデータ解析を進めた。DROSHAに結合している上位60種のRNAのうち、pri-miRNAは37種(胎盤特異的pri-miRNAは19種)、lncRNAは3種(胎盤特異的lncRNAは2種)、mRNAは12種(胎盤特異的mRNAは3種)、その他のRNAは8種であった。この結果は、DROSHAが古典的なmiRNA生合成経路においてpri-miRNAからpre-miRNAを生成しているのみでなく、胎盤特異的lncRNAおよびmRNAとも結合し機能していることを示唆した。胎盤栄養膜細胞におけるDROSHAによるウイルス防御機構の解析に関しては、細胞質内移行シグナルを有するexon 7を含むDROSHAのクローニングと発現ベクターの作製を完了した。風疹モデルウイルスとしてGFP-シンドビスウイルスを感染させたBeWoモデル等の作製を引き続き行った。また、胎盤in vivo解析のためのヒト胎盤採取を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウイルスを用いたin vitro実験に関して、文部科学省への第二種使用等拡散防止措置確認申請を行っているが、書類の修正等のやり取りに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
In vitro解析の遅れを取り戻しながら、計画に沿って研究を進める予定である。
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