研究実績の概要 |
次世代シーケンサーを用いた絨毛癌組織の全ゲノム解析を症例を追加して施行した。この結果から、遺伝子変異の同定を試みた。妊娠性絨毛癌肺転移検体を用いて抗腫瘍免疫応答の解析を行った。また、患者から樹立したxenograftモデルから、細胞株の樹立を試みた。 ①本人、パートナー、腫瘍の3検体を得ることができた絨毛癌3例と、絨毛癌細胞株6種類(JAR, BeWo, JEG3, CC1, CC3, CC4, CC6)に対して、DNAを抽出した。腫瘍検体は、パラフィン包埋ブロックからレーザーマイクロダイセクションを用いてDNAを抽出し、本人とパートナーからは頬粘膜からDNAを抽出した。それらを次世代シーケンサー(イルミナ社のHiSeq 2500)を用いて、全ゲノム解析を行い、遺伝子変異の同定を試みた。同様の症例と細胞株を用いて、コピー数の解析も行っている。 ②妊娠性絨毛癌の肺切除1例の組織から、抗腫瘍免疫応答の解析を行った。腫瘍先進部/傍腫瘍領域の各部位の組織から組織破砕法により組織浸潤免疫細胞を回収し、フローサイトメトリを使用して浸潤免疫細胞のサブセット解析を行った。妊娠性絨毛癌でも、非妊娠性絨毛癌と同様に通常のがん組織よりもNK細胞が多いことが示唆された。 ③非妊娠性絨毛癌患者の手術検体からPatient-derived xenograft(PDXモデル)を作成した。その腫瘍組織をヌードマウスに移植し、生着後、シスプラチンにて治療を行い、感受性を確認した。さらに、不死化細胞株の樹立を行い、hCG分泌を確認した。
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