研究課題
次世代シーケンサーを用いた絨毛癌組織の全ゲノム解析を症例を追加して施行した。この結果から、絨毛性腫瘍特異的な遺伝子変異の同定を試みた。絨毛癌組織検体を用いた抗腫瘍免疫応答の解析を行った。また、患者から樹立したxenograftモデルに対して動物実験を行った。①本人、パートナー、腫瘍の検体を得ることができた絨毛癌8例と、非妊娠性絨毛癌5例のDNAを抽出した。腫瘍検体は、パラフィン包埋ブロックからレーザーマイクロダイセクションを用いてDNAを抽出し、本人とパートナーからは頬粘膜からDNAを抽出した。それらを次世代シーケンサー(イルミナ社のHiSeq 2500)を用いて、全ゲノム解析を行い、遺伝子変異の同定を試みた。コピー数の解析も行った。複数の症例で共通するドライバー遺伝子としてTP53が候補に挙がった。②妊娠性絨毛癌の肺切除1例の組織から、抗腫瘍免疫応答の解析を行った。腫瘍先進部/傍腫瘍領域の各部位の組織から組織破砕法により組織浸潤免疫細胞を回収し、フローサイトメトリを使用して浸潤免疫細胞のサブセット解析を行った。妊娠性絨毛癌、非妊娠性絨毛癌ともに、リンパ球に占めるNK細胞が末梢血より腫瘍部分で多いことが示唆された。③非妊娠性絨毛癌患者の手術検体からPatient-derived xenograft(PDXモデル)を作成した。作成したPDXモデルがヒト由来であること、hCGを分泌する腫瘍であり、組織学的にも絨毛癌であることを確認した。その腫瘍組織をヌードマウスに移植し、生着後、MTXにて治療を行い、感受性を確認した。
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産婦人科の実際 絨毛性疾患の最新のトピックス 2023年第72巻第2号(121-124)
巻: 72 (2) ページ: 121-124
Cancer Medicine
巻: 12 ページ: 4543~4556
10.1002/cam4.5243