研究課題/領域番号 |
20K09648
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
重富 洋志 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20433336)
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研究分担者 |
吉元 千陽 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00526725)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (40178330)
松原 翔 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20825236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子宮内膜症 |
研究実績の概要 |
超音波診断装置内蔵一体型の経腟光学プローブの安全性及び臨床的有用性を評価するための基礎研究を実施した。子宮内膜症性嚢胞液中のヘモグロビンまたは鉄濃度は、骨盤痛や不妊症などの臨床症状の重症度、および悪性転換と密接に関連していることが報告されている。 ただし、嚢胞液ヘモグロビン濃度の測定は侵襲的である。 この研究の目的は、可視および近赤外相互作用分光法が子宮内膜症性嚢胞液中のヘモグロビン濃度を推定するための非侵襲的手法として有用かどうかを評価することである。ヘモグロビン溶液または子宮内膜症性嚢胞液を含むキュベットを覆う生のスライス豚肉(嚢胞表面の解剖学的障壁として最大10 mmの厚さ)上に光ファイバーを直接配置した。 ヘモグロビン濃度は、可視および近赤外相互作用分光法(波長領域 500 ~ 1200 nm)を使用した二次導関数に基づく部分最小二乗法(PLS)回帰によって推定された。 サンプルは、検量線を作成するために評価セット (つまり、検量線セット) に分割され、方程式を検証するためにテスト セット (つまり、検証セット) に分割された。実際のヘモグロビン濃度と予測ヘモグロビン濃度 (校正データ [R2 = 0.977] および検証データ [R2 = 0.874]) の間の高い相関関係が、豚肉の厚さ 5 mm の嚢胞液で達成された。 ただし、豚肉の厚さ 10 mm では相関関係がわずかに減少した (キャリブレーション [R2 = 0.979] および検証データ [R2 = 0.580])。 したがって、子宮内膜症性嚢胞液中のヘモグロビン濃度は、解剖学的障壁が 5 mm の場合、相互作用分光法を使用して非侵襲的に推定できる。 この技術は、月経困難症、不妊症、子宮内膜症の悪性化の重症度を予測するための信頼できる手段として有用である可能性がある。
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