研究課題/領域番号 |
20K09650
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
梶原 健 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80286103)
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研究分担者 |
水野 由美 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20584014)
水野 洋介 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30406532)
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子宮内膜 / 脱落膜化 / 細菌叢 |
研究実績の概要 |
子宮内膜は、胚が着床するときに脱落膜化という分化過程を経て胚を受け入れる準備を整え、この脱落膜化過程の障害が着床不全の原因の一つと考えられている。これまで体外受精などの生殖補助医療において、受精卵の染色体異常(異数性)が着床不成功の最も多い原因と考えられていた。しかし、染色体が正数性の受精卵を子宮内に移植しても約40%は着床が成立しないと報告されており、受精卵の異数性以外の子宮内膜側(母体側)の胚を受容する能力の異常が原因と考えられる着床不全が多く存在していることが想定される。本研究では、子宮内細菌感染が着床不全の原因の一つと考えられることから、細菌感染が子宮内膜脱落膜化にどのような影響を与えるのか、分子メカニズムを明らかにしようと試みた。 脱落膜化刺激により、子宮内膜細胞は敷石状の形態に変化することが知られるが、LPSの投与によって形態学的な変化はほとんど見られず、脱落膜化刺激をしていない細胞とほぼ変化がなかった。しかし、脱落膜化マーカーの一つであるプロラクチンは、LPSの濃度依存的に減少していた。脱落膜化に伴い遺伝子発現が変動すると知られている代表的な遺伝子の発現量や炎症にかかわる遺伝子をqPCRにて解析したところ、それぞれ発現量がLPSの投与に伴い変動した。以上のことから、細菌感染に伴い、子宮内膜細胞の脱落膜化に伴う形態変化には影響がないにも関わらず、脱落膜化に伴い発現変動する遺伝子に影響があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の海外から輸入される試薬の納品に時間がかかったことや、検体の採取に予想より時間がかかったためやや予定より遅くなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、細菌叢と脂質代謝について詳細に解析を行い、不妊症との関連を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進度がやや遅れたため、残りの解析と英語論文の校正に使用する予定である。
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