研究課題
基盤研究(C)
妊娠高血圧腎症などの母体環境の変化により、母子共に異常を伴う重篤な状態に陥ることがあることに加え、母体妊娠期の栄養状態などが出生後の子の生活習慣病発症に生涯にわたり影響を与えるという、DOHaD説(Developmental Origins of Health and Disease説)が注目されている。本研究でマウスを用いた解析モデルにより、母体の高血圧・ストレス・加齢は母体自身に炎症状態を誘導するだけではなく、次世代の成長後の血圧や脂質代謝機能にも影響を及ぼすことが明らかになった。
生殖免疫学
本研究の成果は、妊娠高血圧腎症等における自然炎症を中心とした炎症機構の解明の一助となると考える。また、妊娠高血圧腎症等の母体環境が子供の将来の疾患リスクにどのように関連するのかという「母体病態のDOHaD説」の理解につなげることができる。将来的に、母体の自然炎症をコントロールする介入手段により、妊娠高血圧腎症や子供の将来の疾患リスクの両面を対象とした新規治療方法の開発に繋がることが期待される。