研究課題/領域番号 |
20K09666
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
幸村 友季子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80537415)
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研究分担者 |
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70263085)
内田 季之 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (90570234)
成味 恵 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (50594321)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胎生期低栄養 / DOHaD / Metaflammation |
研究実績の概要 |
胎生期低栄養環境に続く生後の著しいcatch upは成人期にメタボシックシンドローム(MS)を発症するハイリスクとなる。近年、脂肪組織おける慢性炎症がMS発症に重要な役割を果たすとされ、Metaflammationという概念が提唱され(Nature 542:177,2017)、脂肪組織における慢性炎症が増悪し、脂肪蓄積および代謝障害を引き起こし、MSを発症する可能性が注目されている。DOHaDの視点から、Metaflammationを引き起こす変化が胎児期にプログラミングされ成人期のMS発症リスクが形成される可能性を想定し、「胎生期低栄養に引き続く生後の著しくcatch upは児の脂肪組織におけるMetaflammationのリスクをプログラミングする」という仮説のもと、胎生期低栄養-catch up促進マウスモデルを用いて、検証を行った。成獣期では、脂肪組織にMφ浸潤による慢性炎症を惹起が惹起され、脂肪蓄積と糖脂質代謝障害の増悪をきたすことを報告した(Reprod Sci 20:813,2013)。また、Metaflammationの増悪に関与するメカニズムとして、小胞体ストレスに着目し、成獣期に小胞体ストレス緩和剤の二次胆汁酸(Tauroursodeoxycholic acid: TU)の投与にて脂肪重量が有意に減少した。脂肪組織のマイクロアレイ解析では、胎生期低栄養の有無および胎生期低栄養におけるTU投与の有無により発現変化した遺伝子群のエンリッチメント解析では、両者に共通した、炎症に関わる4つのGene Ontology(GO)を同定した。4つのGOに含まれる遺伝子群の発現は、胎生期低栄養とTU投与により相反する変化を認めた。Mφ数は胎生期低栄養により増加し、TU投与により減少していた。研究成果を発表した(Front Endocrinol 13:8,2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、試薬の供給の遅延などがあるため。
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今後の研究の推進方策 |
胎生期に低栄養を経験し、生後に高脂肪餌を給餌すると、内臓脂肪において発現が増加する遺伝子について解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入をよていしていた物品の値段が予想よりも低値であったため
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