研究課題/領域番号 |
20K09671
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
金崎 春彦 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (10325053)
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研究分担者 |
折出 亜希 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (00423278)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | キスペプチン |
研究実績の概要 |
げっ歯類では視床下部の前腹側室周囲核(AVPV)領域と弓状核(ARC)領域にキスペプチン(Kiss-1)ニューロンが局在し、それぞれGnRHのサージ状分泌とパルス状分泌(基礎分泌)を制御していると考えられている。うちパルス状分泌に関与するARC領域のKiss-1ニューロンはNeurokinin B (NKB)とDynorphin A (Dyn A)を共発現しておりKNDyニューロンとも呼ばれている。今回、マウスのKNDyニューロン細胞株mHypoA-55細胞を用いて、同細胞に対するテストステロンの影響について検討した。mHypoA-55細胞をテストステロンで刺激し、Kiss-1、NKB、Dyn Aの発現量をリアルタイムPCR及びウェスタンブロッティング法にて検討した。 mHypoA-55細胞をテストステロンで刺激すると、細胞内のKiss-1遺伝子及キスペプチン蛋白量が増加した。テストステロンはNKB遺伝子及び蛋白発現も増加させた。テストステロン刺激でDyn A遺伝子発現に有意な変化はなかったが、Dyn A蛋白発現は有意に減少した。ジヒドロテストステロンによる刺激でも、キスペプチン、NKBは増加し、Dyn Aは減少した。一方プロラクチン刺激ではキスペプチン、NKB、Dyn A発現量に変化は認めなかった。 高テストステロン状態は視床下部KNDyニューロンにおいてKiss-1、NKB発現を増加させ、Dyn A発現を減少させる結果、視床下部-下垂体-性腺軸の不調を来している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
視床下部キスペプチン/NKB/Dynorphin (KNDy)ニューロンの制御機構についての検討を不死化ニューロンのモデル細胞を用いて継続している本年度はKNDyニューロンに対する男性ホルモンの影響について検討した男性ホルモンであるテストステロンはKNDyニューロンにおいてキスペプチン及びNKB発現を増加させ、DynAを減少させた。このことは同ニューロンが活性化されていることを示し、高アンドロゲン血症の臨床所見を反映するものである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は実験動物を用いて男性ホルモンの視床下部及び下垂体への影響について検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍影響で出張旅費の使用が大幅に減少した。今後の基礎実験における各種消耗品の購入に充てる予定である。
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