研究課題
給餌方法 (自由摂取 vs 時間制限摂取)と餌の種類(普通食vs 適度にカロリーの高い餌(mHCD:脂肪分31%))が雌マウスの生殖能力に及ぼす影響を検討した。mHCDを与えたマウスはNCを与えたマウスに比べ、排卵数が多かった。一方、時間制限給餌でNCを与えたマウス(NT)では、正常受精卵数あたりの胚盤胞への発育率が他と比較して有意に低下していた。また、卵母細胞中の活性酸素は、時間制限食餌群およびNC群において増加した。これらのマウスの全卵巣組織のトランスクリプトーム解析を行ったところ、4群間でコレステロール代謝に変化が見られた。時間制限食アクセスは、NC群およびmHCD群ともに血清LDLコレステロール値を低下させた。さらに、NTマウスでは、自由摂取マウスに比べ、閉鎖卵胞の数が増加した。本研究により、mHCD給餌は卵胞数および排卵卵子数を増加させ、NCの時間制限給餌は受精後の卵子の発育能力を損なうこと、その原因は血清コレステロール値の変化と卵子のROS含量の増加に起因すると考えられた。卵巣組織のトランスクリプトーム解析では、代謝経路(mmu01100)、ステロイドホルモン生合成経路(mmu00140)、PPARシグナル伝達経路(mmu03320)、グリコサミノグリカン生合成-ケラタン硫酸経路(mmu00533)が確認された。アポリポ蛋白B、C、E、リポ蛋白リパーゼを含むコレステロール代謝(mmu04979)、リン脂質輸送蛋白の遺伝子発現パターンが有意に変化していた。
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