研究実績の概要 |
本年度は子宮頸癌細胞株であるCaski (HPV16あり), SiHa (HPV16あり) ,C33A (HPVなし, P53変異あり),および陰性コントロールとして、前立腺細胞株であるLNCaP (HPVなし, P53変異なし)を用いてWee1阻害薬であるAZD1775、およびシスプラチンの効果を評価した結果、AZD1775のIC50が最も低いのはSiHa細胞であり、シスプラチン併用時のIC50のCombination indexは0.771であった。この結果に関し、2回の追試を行い、同様の結果が得られる事を確認した。 それに伴い、同条件下でのWesternblotにより、Wee1、TP53、pCDC2,CDC,γH2AX,pHH3について評価を行った。その結果、Wee1阻害薬使用時にはSiHa細胞株においてTP53の発現が増強しCDCおよびpCDC2の発現は低下、γH2AXおよびpHH3は発現が増強していた。またCisplatin併用時にはγH2AXは発現がWee1単独時と比し強かったが、pHH3においてはWee1単独時に比し低かった。Negative controlとして使用した前立腺がん細胞株であるLNCaPではpHH3の発現はSiHaに比し低かった。またFlow cytometryによりSubG0/G1の割合を調べた所、SiHa細胞株においてはその両者ともWee1阻害薬およびWee1阻害薬とCisplatinの併用時に著明に上昇していたが、LNCap細胞株においてはほぼ認めなかった。
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