研究課題/領域番号 |
20K09685
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川島 慶之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10376759)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | シスプラチン / 感音難聴 / 内耳有毛細胞 / TMC1 / メカノエレクトリカルトランスダクションチャネル |
研究実績の概要 |
シスプラチンによる有毛細胞障害の発症機序の解明、および予防手段の確立のためにex vivoおよびin vivoの実験を進めた。日齢3-4のC57BL/6J野生型マウス、および、メカノエレクトリカルトランスダクション(MET)チャネル欠損遺伝子改変マウスから取りだした蝸牛感覚上皮を外植した。シスプラチン(0/40 uM)に加えてMETチャネル遮断薬であるベンザミル(100 uM)、OCT2阻害薬であるシメチジン(0/400/2000/4000 uM)、およびCTR1阻害薬である硫酸銅(25/50/250/500 uM)にを添加した溶液中で2時間培養した。さらに培養液中で46時間培養した後にホルマリン固定し、抗Myosin VI抗体と蛍光標識二次抗体、およびRhodamine Phalloidinにて染色し、外有毛細胞および内有毛細胞の生存率を定量評価した。METチャネル欠損マウスは野生型マウスに比較しシスプラチンに対し高い抵抗性を示した。ベンザミルとシメチジンは有毛細胞の保護効果を示したが、硫酸銅には有毛細胞の保護効果を認めなかった。シメチジンは、METチャネル欠損遺伝子改変マウスの有毛細胞においても有毛細胞の保護効果を示した。生後18日目のC57BL/6J野生型マウス、およびMETチャネル欠損マウスに、生食またはシスプラチン(20 mg/kg)を腹腔内投与し、72時間後に安楽死させて蝸牛感覚上皮を取り出し、ホルマリン固定し、抗Myosin VI抗体と蛍光標識二次抗体、およびRhodamine Phalloidinにて染色し、外有毛細胞および内有毛細胞の生存率を評価した。現在定量評価を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイル ス感染症流行のため、一時的に実験動物の数を減らすことや、完全にストップすることを余儀なくされたことが影響し、やや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
ex vivoの実験に関しては概ね完了した。in vivoの実験に関してもシスプラチン難聴のモデルマウスの作成法は確立したので、今後nを増やして定量評価を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響を受け遅れている実験計画を遂行する。
|