研究実績の概要 |
酸化ストレスに関わるNADPH酸化酵素のIL-25, IL-33,TSLP産生における役割を検討した。抗原複合物(ダニ抗原、アルテナリア、ブドウ球菌由来プロテアーゼ)の1回点鼻と長期点鼻のマウスモデルを用いて、NADPH酸化酵素阻害剤(DPI, VAS-2870)の影響を検討した。上皮由来サイトカインの産生はNADPH酸化酵素阻害剤の点鼻投与により抑制された。長期点鼻モデルにおいても、NADPH酸化酵素阻害剤はTh2サイトカイン(IL-5, IL-13)産生を抑制し、鼻洗浄液中の好酸球数を減少させた。また、鼻粘膜のポリープ様変化も抑制された。培養気管支上皮細胞では、抗原刺激後30分でNADPH酸化酵素が産生された。また、NADPH酸化酵素ファミリーのうちDOOX1, 2, NOX1, 4が鼻粘膜上皮細胞に発現しており、DUOX1が上皮由来サイトカイン産生に関わっていた。 細胞レベルでの酸化ストレスが、好酸球性気道疾患の病態形成に関わっている可能性がある。
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