• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

機能性食品による抗酸化、免疫賦活化作用を介した聴覚障害予防の試み

研究課題

研究課題/領域番号 20K09696
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

小川 洋  福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70264554)

研究分担者 錫谷 達夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード聴覚障害予防 / 食品による聴覚障害予防 / サイトメガロウイルス難聴 / Lactococcus lactis
研究実績の概要

本研究はマウス動物実験系を用いて、聴覚障害に対する機能性食品の効能や、腸内細菌叢との関係を解析するものである。

1)研究初年度として以前からわれわれが行ってきた方法で、マウスCMVによる先天性CMV感染による聴覚障害のモデルを作成し、側頭骨標本を作製し内耳を中心に形態学的な評価を行った。2)C57BL/6Jマウスにおいて、通常の状態で飼育し、継時的にABRにより加齢に伴う聴力閾値の変化に関して評価を行った。3)Lactococcus lactis摂食の効果について菌を混ぜたエサをC57BL/6Jマウスに摂取させ継時的にABRを行い、Lactococcus lactis摂食させないマウスのABR閾値の比較においてマウスにおける聴覚障害予防効果に関する検証を行った。

本年度の実験ではLactococcus lactis摂食がマウスにおける加齢性難聴を予防できるかどうか評価するには不十分なデータであった。比較評価を十分に行うことが可能なデータ量が必要でと考えられた。Lactococcus lactis摂食マウスの聴力変化は本実験の核となる。ABRによる聴力評価においてC57BL/6Jマウスでは検査音圧に対しての潜時、振幅いずれもばらつきが予想より多く、個体数を増やして実験を行うことを余儀なくされている。コントロール群とともにLactococcus lactis摂食マウス群の個体数も増やし、継時的な聴力像評価を行っている。ばらつきの要因の一つにABR測定機器の更新に伴う実験環境の変化があり、実験環境の整備を行った後、聴力評価を再開した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症の影響でLactococcus lactisの入手の遅れが生じたこと、実験に関わる人材が新型コロナ感染症対策に関わる必要があったことなどから実験計画が全体的に遅れてしまった。Lactococcus lactisを摂食させたC57BL/6Jマウスの聴力評価に関しては統計学的な評価ができるまでの検査数を確保できていない。

今後の研究の推進方策

先天性CMV感染モデルは新たに作成し、形態学的な評価を行っている。組織標本は十分評価ができるものが作成されている。Lactococcus lactisを摂食させたC57BL/6Jマウスの評価数を増やし、比較検討できるだけの数を確保する。この実験によりLactococcus lactis摂食マスにおける加齢に伴う聴力変化を明らかにさせる。この結果をもとにi)免疫の老化をフローサイトメトリーで、ii)腸内細菌叢の変化を次世代シークェンサーで、iii)マウスの末梢血や組織の解析から抗酸化の効果を解析し、その作用機序を明らかにする。同時にCMV感染マウスにLactococcus lactisを摂食させ、CMV感染に伴う難聴に対してLactococcus lactisの聴覚障害抑制効果の有無について評価を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の影響でLactococcus lactisの入手の遅れが生じたこと、実験に関わる人材が新型コロナ感染症対策に関わる必要があったことなどから実験計画が全体的に遅れてしまった。Lactococcus lactisを摂食させたC57BL/6Jマウスの聴力評価に関しては統計学的な評価ができるまでの検査数を確保できなかった。昨年度に施行できなかった動物モデルの作成を本年も引き続き継続するため、昨年度の助成金を翌年度分として請求した助成金とあわせて使用する。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi