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2020 年度 実施状況報告書

ミオシン6のミスセンス変異ヘテロ型で生じる進行性難聴の遺伝子治療

研究課題

研究課題/領域番号 20K09702
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

関 優太  公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 研究員 (10615636)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードミオシン6 / 難聴 / モデルマウス / 遺伝子治療
研究実績の概要

ミオシン6(Myo6)は、ヒト/マウスの難聴原因遺伝子であり、ヘテロ接合体において進行性難聴を発症する。我々はMyo6に突然変異を有するモデルマウスシリーズの解析により、ミスセンス変異型のヘテロ個体が早期の進行性難聴を生じることを見出し、ミスセンス変異アレルを標的としたアデノ随伴ウイルスベクターを介した遺伝子治療の効果を検証するため、本年度は以下の項目を実施した。
・アデノ随伴ウイルスベクター導入時期の検証
アデノ随伴ウイルスベクターを導入する時期を最適化するため、対象としたモデルマウスの表現型データを補充し、聴性脳幹反応、歪成分耳音響放射データ、および内耳有毛細胞の不動毛形態観察により見出された不動毛の脱落および形態異常等から導入時期を精査した。これらの結果から、当初予定していた病態発症前および発症後の導入時期をそれぞれ早められる可能性が示唆された。得られたデータは、モデルマウスの聴力基礎データの補完、および本研究のスピードアップに繋がるものと期待できる。また、対象としたモデルマウスのうちの1系統においては、ホモ個体が加齢に伴い首振り運動が顕著化することが明らかとなり、旋回行動も生じる欠失マウスとは異なる表現型であり、その時期も異なることが判明した。この得られた知見は、アデノ随伴ウイルスベクターを導入した際の変異アレル破壊検証のための有用なモデルとなる可能性が示唆された。現在、これらデータを基盤とした遺伝子治療の準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究では、遺伝子治療のためのアデノ随伴ウイルスベクターを構築し、モデルマウスに導入する予定でいたが、追加解析したモデルマウスの表現型データから導入時期の再検討に至ったため、研究に遅れが生じた。また、緊急事態宣言を受け、新規実験に着手できずアデノ随伴ウイルスベクターの構築段階のままであることも遅延の一因である。

今後の研究の推進方策

本年度において、モデルマウスの表現型データの蓄積ができ、アデノ随伴ウイルスベクターの早期導入が可能になることを見出した。次年度は、変異アレルをターゲットとしたアデノ随伴ウイルスベクターを構築し、精査した表現型データに基づき、モデルマウスに遺伝子治療を施し、その病態発症の予防効果または重篤化の防止および遅延効果を検討する。

次年度使用額が生じた理由

本年度に実施予定としたモデルマウスへのアデノ随伴ウイルスベクター導入が、導入時期の再検討および緊急事態宣言に伴う活動制限によりできなかったため、次年度使用額が生じた。未使用額は、遺伝子治療後の表現型および発現解析のための試薬等の消耗品購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 難聴プロジェクトホームページ

    • URL

      https://www.igakuken.or.jp/mammal/

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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