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2021 年度 実施状況報告書

機能的電気刺激による声帯の再運動化と喉頭機能の回復に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09704
研究機関旭川医科大学

研究代表者

片田 彰博  旭川医科大学, 医学部, 准教授 (90281899)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード機能的電気刺激 / 声門閉鎖運動 / 埋め込み型電極 / 神経再支配
研究実績の概要

本研究では実験動物モデルとして、イヌの反回神経を切断した声帯麻痺モデルを使用する。麻痺している声門閉鎖筋や声門開大筋に機能的電気刺激を加えて声帯運動を誘発することで、電気刺激が神経再支配のスピードや正確性にどのような影響を及ぼすのかを明かにする。また、機能的電気刺激によって誘発される声帯運動を内視鏡で観察し、定量的に解析して、誘発された声帯の運動が呼吸、発声、嚥下などの機能障害をどの程度回復させるのか確認する。
これらの目的を達成するためには、長期間にわたって筋を刺激し続けることができる完全埋め込み型のシステムが必要になる。我々は電子機器メーカーとの共同研究によって、喉頭の刺激に特化した完全埋め込み型の機能的電気刺激システムの開発を既に完了している。このシステムは刺激電極と刺激発生装置が体内に埋め込まれ、体外にあるバッテリーで経皮的に駆動することが可能になっている。刺激パラメーターはタブレットのアプリケーションを用いて、体外から調節が可能である。
2021年度は、声門閉鎖筋の表面に埋め込んだ電極によって、声門閉鎖運動の誘発が可能であるかを確認する予定であった。しかし、1頭のイヌで埋め込んだ刺激電極が原因と思われる頸部の感染が生じた。創に対する処置で経過をみていたが、経過観察中に体調不良となったため、電極を摘出した。
電気刺激による喉頭運動の観察にはヒトに近いサイズの喉頭が必要であり、イヌをモデル動物として用いているが、電気刺激による神経再支配のスピードや正確性に対する影響についていは、ラットの坐骨神経吻合モデルを用いたより基礎的な実験を計画中であり、この実験を進めていくために、ラット用の麻酔器を新たに用意した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

体内に埋め込んだ電極が安定しなければ、長期間にわたる電気刺激を継続できない。そのため、新たな電極を用意し、イヌモデルに埋め込むための準備をすすめている。ラットの実験についてもモデル動物の作成をすすめていく必要があるが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により実験室の使用にも制限がかかったため、進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

2021年度で進められなかったイヌモデルへの電極の埋め込み、ラットの坐骨神経吻合モデルの作成を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、実験室の使用に制限が生じたため、当初計画した実験のすべてを行うことができなかった。そのために消耗品等の購入が予算よりも小さい額になったため、次年度使用額が生じている。今年度に繰り越して使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 臨床セミナー1 声門開大術(Ejnell法による声帯外方移動術を中心に)2022

    • 著者名/発表者名
      片田彰博
    • 学会等名
      第34回日本喉頭科学会総会・学術講演会

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公開日: 2022-12-28  

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