研究課題
2009年8月から2020年4月までに当院で経口的切除術が施行され、扁平上皮癌と病理学的に診断された95病変(SCC in situ 54病変、SCC 41病変)を対象とした。これらの病変における上部消化管内視鏡検査で撮影されたNBI画像95枚をRadiomics解析し、上皮下浸潤の有無について診断能を検討した。機械学習分類器を用いて、SCC病変とSCC in situ病変を分類した。SCC病変とSCC in situ病変をラベル付けした。機械学習分類器は、整流された線形ユニット活性化と10隠れ層を持つニューラルネットワークを使用した。95人の患者のうち、71人がトレーニングデータセットとして、24人がテストデータとしてランダムに割り当てられた。ROCからAccuracy、Sensitivity、Specificity、AUC算出した。クロスバリデーションにおけるAccuracyは平均83.3%、Sensitivityは平均87.3%、Specificityは平均76.1%、AUCは平均0.868だった。内視鏡医によるNBI拡大内視鏡診断でのAccuracy は77.9%、Sensitivityは100%、Specificityは48.8%であった。以上よりAIによる深達度診断システムが内視鏡医による内視鏡診断を補完しうる可能性が示唆される。経口超音波による深達度診断も内視鏡所見を補完しうる結果が出た。陽性的中率については、肉眼所見で65.6%、拡大内視鏡診断で78.9%および経口超音波では82.1%であるが3つを組み合わせると100%となった。AIと医師の診断により、超高精度の術前深達度診断をすることが可能となり、術後の不必要な嚥下障害の回避が可能となり、患者の術後のQOLの向上に寄与すると考える。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 4件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
PLOS ONE
巻: 17 ページ: -
10.1371/journal.pone.0270509
The Journal of Laryngology & Otology
巻: - ページ: 1~8
10.1017/S0022215122001761
The Laryngoscope
巻: - ページ: -
10.1002/lary.30483
https://jibika.hiroshima-u.ac.jp/research/index.html