研究課題/領域番号 |
20K09720
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
横井 秀格 杏林大学, 医学部, 准教授 (80317487)
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研究分担者 |
花田 礼子 大分大学, 医学部, 教授 (00343707)
木村 徹 杏林大学, 医学部, 学内講師 (30433725)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Neuromedin-U / Nueromedin-U receptor1 / Nueromedin-U receptor2 / Mrgprx-1 / Mrgprx-2 / ILC2 / 2型炎症 / アレルギー性鼻炎 |
研究実績の概要 |
本研究では神経ペプチドであるNeuromedin Uのアレルギー性鼻炎(AR)の病態への関与をARモデルマウスを用いて検討し, 新たなるアレルギー性鼻炎の病態の解明とその知見に基づく斬新な治療応用(創薬)への可能性を追究する。 アレルギー性鼻炎(AR)における鼻汁, くしゃみなどの症状発現には鼻粘膜内の知覚神経線維の関与がある. ヒスタミンは三叉神経終末のヒスタミン受容体を刺激し,その興奮を三叉神経知覚核に伝え,中枢からの副交感神経反射にて症状が発現させる. また, これまでに神経ペプチドが神経伝達物質となり, 症状の増悪に関与することも示唆されている. 近年, アレルギー炎症の病態の本質である2型炎症の惹起に自然免疫系(ILC2)が重要な働きを持っていることが解明された. これらの背景により、我々は, ILC2やマスト細胞を介した炎症に関与すると報告されている神経ペプチド・Neuromedin U(NMU)に注目した. 本研究では4種類の感作の相違のあるARのモデルマウスを用いてNMUのアレルギー性鼻炎(AR)の症状発現における病態への関与を検討する. NMUは、アレルギー性鼻炎発症の際の感作の段階にて関連するもと示唆され、発現部位、発現細胞の検討からも解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの所、アレルギー性鼻炎モデルマウスにおいてメッセージレベル(RT-PCR)及びタンパクレベルでの局在(免疫染色)においてNMUの発現が確認されたが、NMSの発現は確認出来なかった。予想に反して、neuromedin receptorのNMUR1,-2共に検出がRT-PCRで出来ておらず、同様にneuromedinが作用する可能性があるMrgprx-1,-2も検出出来なかった。これまでは、アレルギー性鼻炎の発症の段階でのNMUの発現の検討を行ってきたが、感作の段階での検討は施行していなかった。そこでマウスへOVAを腹腔内注射したのみの感作の段階での発現を検討した結果、約1/3の割合で発現が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
解析条件を変え、またプライマーの変更を考慮し、アレルギー性鼻炎モデルマウス鼻粘膜でNMUR1,-2やMrgprx-1,-2の発現を検討する。さらにNMU KOマウスを用いた解析を行う。マウスではなく、ヒト鼻粘膜を用いて(倫理委員会の承認を得て)、NMU, NMUR1,-2やMrgprx-1,-2の発現を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナにて学会参加ができなく、今年度の学会費などに使用したい。
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