研究課題/領域番号 |
20K09726
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 彰人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90612507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 老化 / アンチエイジング / 音声障害 / カロリー制限 / 声帯筋 |
研究実績の概要 |
本研究は、(A) 高齢ラットにおける声帯筋の加齢性変化の評価、(B) 若年ラットの声帯筋に短期CR が及ぼす効果の検証、(C)高齢ラットの声帯筋に長期CR が及ぼす効果の検証、の3 テーマから成る。研究(A)では、body-cover theory におけるbody の主体を成す声帯筋における加齢性変化を組織学的・分子生物学的に解明する。研究(B)では短期CR が若年ラットの声帯筋へ及ぼす影響を評価する。経年変化への影響と、声帯障害後の創傷治癒への影響を評価する。研究(C)は、高齢ラットでの長期CR の抗加齢効果の有無を評価する本研究の最重要項目である。具体的な解析項目として、一般染色で筋線維面積、再生筋線維数を、免疫染色でPAX-7、MyoD1、Sirt1 などを、RT-PCR でPAX-7、MyoD1、Atrogin1、Sirt1、myosin heavy chain type 1・2A・2B・2L などを評価する。 研究(A)から(C)まで完遂することで総合的な結果が得られるため、3 年間で全てを完結させることが第一目標であるが、計画通りに進まず全て完遂できない場合でも、個々のテーマそれぞれに高い新奇性があり十分な研究成果が得られると予想される。 当初の予定として、研究(B)は過去の若手研究(B)で作成された資料を用いて初年度に解析を行う予定であった。また、研究(A)・(C)は初年度に動物の飼育を始め、次年度・最終年度に解析予定であった。しかし、次項で述べるように、コロナ禍と急遽立ち上がった研究施設の移転計画のため研究は予定よりは大きく遅れている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響と研究施設の移転計画のため本研究は現在大幅に遅れている。 まず、コロナ禍の影響で新たな実験動物の飼育が制限された。加えて、ラットの飼育・実験を行う研究棟の移転が今後1-2年の間に実行されることになった。このために、長期的な飼育期間を見込んでいる実験細項目(A)、(C)が実質上進んでいない。このため、細項目(B)のみを本年度は進めた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響と研究施設の移転計画が落ち着き、研究再開できる状況になり次第、実験細項目(A)、(C)は再開予定であるが、研究機関内での遂行は難しくなってきている。膠着状態が更に遷延する場合は高齢ラットの研究、長期CRは今回は断念し、短期CRの分析に焦点を絞って成果をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響と研究施設の移転計画のため、予定より研究計画が遅れており、既存資料の解析が今年度は主体となった。このため、予定よりも支出が少なくなった。
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