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2023 年度 研究成果報告書

デルタ型グルタミン酸受容体の異常による内耳synaptopathyの病態解明

研究課題

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研究課題/領域番号 20K09727
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

藤川 太郎  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60401402)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードAge-related hearing loss / Cochlear synaptopathy / Outer hair cell / Cerebellin-1
研究成果の概要

蝸牛におけるcerebellin-1(Cbln1)の局在と機能を明らかにした。Cbln1は内耳保護機構を担う外有毛細胞遠心性シナプスのシナプス間隙に局在した。Cbln1の欠損でシナプス終末の萎縮と高音域の難聴を認めた。また一過性閾値上昇の条件において不可逆的な外有毛細胞機能の低下と蝸牛シナプス病の増悪による永続的閾値上昇を生じた。外因性Cbln1を内耳に発現させると、Cbln1欠損マウスで閾値上昇が軽減し、野生型マウスで蝸牛シナプス病が減弱した。Cbln1は内耳のシナプス形成因子であり、その欠損は過剰音響刺激に対する脆弱性を引き起こす。Cbln1は加齢性難聴に対する遺伝子治療の候補となりうる。

自由記述の分野

Otolaryngology

研究成果の学術的意義や社会的意義

高齢化人口の増加と共に加齢性難聴が健康寿命にかかわる大きな問題となっている。加齢性難聴の病態に蝸牛シナプス病があるがその分子機構は不明な点が多い。Cerebellin-1(Cbln1)は中枢神経系の強力なシナプス形成因子であることが知られているが、本研究からCbln1が蝸牛遠心性シナプスの形成に重要であり、その不全により過剰音響刺激に対する脆弱性が増し蝸牛シナプス病を増悪させることがわかった。蝸牛シナプス病のメカニズムの一端を分子レベルで明らかにしたのは本研究が初めてである。外因性Cblnによる難聴の遺伝子治療や予防などへの応用が期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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