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2020 年度 実施状況報告書

SLC26A4遺伝子変異で見られる多彩な表現型に関する要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K09728
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

伊藤 卓  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40401400)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードSLC26A4 / 前庭水管拡大 / ペンドレッド / メラニン / マクロファージ
研究実績の概要

令和2年度はコロナウイルス感染症の蔓延により、出勤制限やテレワークを行わざるを得なかったことから当初の予定よりも大幅に遅れることになった。しかし、このような状況においても、対照群として黒色系Slc26a4+/Δおよび白色系Slc26a4+/Δを、実験群として黒色系Slc26a4Δ/Δおよび白色系Slc26a4Δ/Δを用いて、下記の点において実験を進めることができた。
・マクロファージを標識する代表的なマーカーであるCD68抗体で内耳血管条を標識すると、黒色系対照群に比べて黒色系実験群では標識領域の増加、および標識パターンに相違が観察された。一方、白色系対照群および実験群においては、両者ともにCD68抗体にて標識される領域はほとんど観察されなかった。
・マクロファージを標識する別のマーカーであるIba1およびF4/80抗体で内耳血管条を標識すると、CD68抗体と同様に黒色系対照群に比べて黒色系実験群では標識領域の増加が見られたが、標識パターンには明らかな相違が観察されなかった。白色系対照群および実験群においては、両者ともにIba1およびF4/80抗体にて標識されたが、両者に明らかな相違は観察されなかった。
以上のことから、内耳血管条のマクロファージにはCD68抗体で標識されるサブグループとIba1およびF4/80抗体で標識されるサブグループの両者が存在し、それぞれが異なる役割を担っていることが想定された。さらに、SLC26A4発現の低下に伴って活性化されるマクロファージはCD68抗体で標識されるサブグループのみであり、本遺伝子変異に伴う聴覚障害の病態解明および治療法開発につながる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和2年度はコロナウイルス感染症の蔓延により、出勤制限やテレワークを行わざるを得なかったことから当初の予定よりも大幅に遅れることになった。

今後の研究の推進方策

令和2年度は予定していた実験が大幅にできず進捗状況は遅れている。コロナウイルス感染症による出勤制限は今後も続く見込みが高いため、実験可能な日程の際にできるだけ多くのデータを収集し、出勤制限がなされた状況になった際にはデータ解析に時間を費やして、トータルで見た場合に大きな遅れが起こらないように計画していく。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染症の蔓延のため出勤制限の期間があったため、実験が当初の予定通りに進捗しなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Genetic Hearing Loss Associated With Autoinflammation2020

    • 著者名/発表者名
      Nakanishi Hiroshi、Prakash Pragya、Ito Taku、Kim H. Jeffrey、Brewer Carmen C.、Harrow Danielle、Roux Isabelle、Hosokawa Seiji、Griffith Andrew J.
    • 雑誌名

      Frontiers in Neurology

      巻: 11 ページ: N.A.

    • DOI

      10.3389/fneur.2020.00141

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Systemic Fluorescent Gentamicin Enters Neonatal Mouse Hair Cells Predominantly Through Sensory Mechanoelectrical Transduction Channels2020

    • 著者名/発表者名
      Makabe Ayane、Kawashima Yoshiyuki、Sakamaki Yuriko、Maruyama Ayako、Fujikawa Taro、Ito Taku、Kurima Kiyoto、Griffith Andrew J.、Tsutsumi Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of the Association for Research in Otolaryngology

      巻: 21 ページ: 137~149

    • DOI

      10.1007/s10162-020-00746-3

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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