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2020 年度 実施状況報告書

鼻副鼻腔神経内分泌悪性腫瘍の遺伝子変化と免疫チェックポイント分子発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K09731
研究機関神戸大学

研究代表者

清田 尚臣  神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (40515037)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード鼻副鼻腔悪性腫瘍 / 遺伝子変異 / 免疫多重染色
研究実績の概要

当院における鼻副鼻腔悪性腫瘍データベースの137例中、鼻副鼻腔神経内分泌悪性腫瘍の60例を抽出した。主たる組織型は嗅神経芽細胞腫(ONB)、鼻副鼻腔未分化癌(SNUC)、神経内分泌癌(NEC, small cell含む)であった。60例のうち、利用可能な組織検体を有する昭栄は、ONB 27例、SNUC 8例、NEC 3例の合計42例であった。
これらの症例について、組織型別に進行期及び転帰の再確認を行った。ONBについては、Kadish A/B/C/D/unkown(2/3/17/1/4)であり、ONB全症例における観察期間中央値は4.9年で全体での5年生存割合は92%であった。SNUCについては、Stage I/II/III/IV (1/1/2/4)であり、SNUC全症例における観察期間中央値1.1年で全体での1年生存割合は67%であった。NEC(small cell含む)については、Stage III/IV(3/5)であり、 観察期間中央値2.1年において2年生存割合57%であった。
利用可能な組織検体については、ONB 27例中26例が手術検体が利用可能であるのに対して、SNUC及びNECでは疾患の性質上手術が行われておらず、SNUC 8例中7例が、NEC 7例中5例が生検組織のみ利用可能であることが判明した。また、希少疾患であるため、組織型の再レビューは必須であり、令和2年度中に順次行っており、令和3年度前半に終了予定である。その後、令和3年度中に遺伝子変異量測定のために腫瘍組織の切り出し及び遺伝子抽出作業、そして免疫多重染色を行うための準備作業を行う予定である。ただし、先ずは豊富な手術検体があるONBから検討開始するのが妥当と考えられるため、こちらを優先して作業を開始する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1990年代のカルテ確認や病理標本確認が必要であり、想定以上に時間を要した。また、COVID-19流行による業務の影響が特に令和2年度前半には大きかったため、そこで大幅に遅延した。令和2年度後半は流行の影響はあったが、病理部や研究室の利用に制限はない状況であったため徐々に進捗は回復したが、影響は残っている。
令和3年度も兵庫県のCOVID-19流行は過去最悪ではあるが、流行下での研究進捗への対応が可能になりつつあるので、令和3年度中に大きく研究を進捗させる。

今後の研究の推進方策

令和2年度前半のCOVID-19流行による大幅な研究進捗遅延が大きく影響しているが、流行下での研究進捗への対応は可能になりつつあるので、進捗を回復させる。
また、鼻副鼻腔神経内分泌悪性腫瘍の中でもONBが最も手術検体を利用した研究が可能であるため、令和3年度以降はONBを優先して研究を促進させる。

次年度使用額が生じた理由

令和2年度には当初予定していた、NGS解析を利用した遺伝子変異量の解析や免疫多重染色など本研究における支出の大半を占める作業が行えなかったため、次年度使用額を生じた。

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公開日: 2021-12-27  

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