研究課題/領域番号 |
20K09733
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山下 裕司 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00210419)
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研究分担者 |
菅原 一真 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20346555)
橋本 誠 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50343299)
廣瀬 敬信 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80555714) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遺伝性難聴 / ゼブラフィッシュ |
研究実績の概要 |
先天性の聴覚障害の発生頻度は、出生 1000人に約 1人と言われており、先天性疾患の中で最も高頻度に認められる疾患の一つである。近年の調査によると先天性難聴の原因の少なくとも 50%は遺伝子が関与しているものと推測される。しかしながら現在まで根本的な治療方法は存在しない。本研究は難聴遺伝子を欠損した遺伝子改変ゼブラフィッシュを作成して難聴のメカニズムを明らかにすることで治療方法を探究する目的で計画された。2020年度は,遺伝性難聴に関係する遺伝子TMPRSS3,LOXHD1,LOXHD2,STRCの遺伝子欠損ゼブラフィッシュを作成した。2021年以降,側線器有毛細胞の形態学的特徴,遺伝子改変動物の行動学的特徴について,解析を行った。その中で,LOXHD1は側線器有毛細胞に,LOXHD2は内耳有毛細胞に発現することを明らかにした。どちらの動物も軽微な感覚毛の形態異常を認めたが,機能異常は示さなかった。2022年はLOXHD1,LOXHD2の両方の遺伝子欠損動物を作成して,研究を行った結果,いくつかの知見を得ることができた。結果については,学会にて報告を行った。また,STRC遺伝子欠損ゼブラフィッシュについても解析し,学会報告を行った。海外からはLOXHD1と関連する細胞内蛋白質が報告されており,本研究でもLOXHD1の機能解析を新たなモデル動物を作成することで,検討を追加する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年はLOXHD1,LOXHD2の両方の遺伝子欠損動物を作成して,研究を行った。また,STRC遺伝子欠損ゼブラフィッシュについても解析し,学会報告を行った。当初の研究計画書に記載されている研究を実行できているが,新型コロナ感染症のため,海外での報告が行えておらず,研究計画を1年間延長した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度はこれまでの知見を海外学会,英文誌で報告する予定である。 また,GCampトランスジェニック動物を購入してLoxHD1やSTRCなどをノックダウンすることで,評価を追加し,遺伝性難聴に関連する遺伝子の側線器有毛細胞での役割を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で国際学会での発表を行っていない。次年度に計画した。
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