研究課題/領域番号 |
20K09737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
齋藤 康一郎 杏林大学, 医学部, 教授 (40296679)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 喉頭 / 声帯 / 音声 / モデル / 声帯振動 / 運動生理学 / 解剖 / 形態 |
研究成果の概要 |
声帯は、会話時には100-200 Hz程度の高速で振動することにより音声を産生し、コミュニケーションツールとして重要な役割を担っている。これまで、この音声産生のメカニズムを運動生理学的観点から研究するための、ヒト喉頭を用いた再現性のある音声産生実験モデルはなかった。本研究では、固定後にも組織が硬化しない、N-vinyl-2-pyrrolidone(NVP)で固定されたcadaverからの摘出喉頭を用い、新たな実験系の確率を試みた。高速度デジタル撮影や音響分析を用いた研究により、生体に酷似したしなやかな声帯振動とそれに伴う生体同等の音声の産生、そしてその再現性を確認し、成果を論文として報告した。
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自由記述の分野 |
音声喉頭科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には、これまで動物からの摘出喉頭や、再現性の無いヒト新鮮(凍結)cadaverを用いていた音声再生実験を、再現性のあるヒトモデルで行う事が可能となったことで、ヒトの発声メカニズムを詳細に解析するための礎を築くことができたと。今後様々な音声改善手術のシミュレーションや、正確に音声を変化させる術式の確率への貢献が期待できる。 社会的には、コミュニケーションツールとしての「声」について研究が進むことで、音声障害を有する人々の、社会活動の量や質の向上に貢献できると考えている。一例として超高齢社会を迎えた日本では、加齢変化による音声障害患者は増加の一途を辿っており、本研究の成果を早急に活かしたい。
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