本研究では、免疫蛍光染色にてANCA関連血管炎性中耳炎(OMAAV)患者の全ての中耳貯留液において、好中球細胞外トラップ(NETs)陽性細胞を確認できた。また全身型OMAAV患者と同様に、中耳限局型OMAAV患者の中耳貯留液におけるNETs発現量の上昇が示された。中耳腔におけるNETsの形成は、OMAAVの病態に関して重要な役割を果たすことが示唆される。特に、ANCA陽性例だけでなく陰性例においても、中耳貯留液におけるNETs発現量は上昇していた。中耳貯留液におけるNETs発現量を定量化することは、OMAAVを診断する上で有用性が高く、治療戦略構築に向けて意義深いものになると考えられる。
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