研究課題
基盤研究(C)
掌蹠膿疱症、IgA腎症は典型的な扁桃病巣疾患とされ、扁桃摘出術で症状、所見が改善する。しかし、本疾患概念は他科の医師に広く浸透しているとは言えない。我々は本疾患における扁桃摘出術の有効性を基礎的、臨床的に証明し、他科医師への疾患概念の浸透を目指している。扁桃病巣疾患診療の手引き作成委員会委員長として、手引き書をまとめ、発刊した。また、IgA腎症においてAPRILが扁桃のIgA過剰産生に寄与していること、扁桃T細胞がCXCR3を介して腎糸球体へ移行し腎炎を増悪させていることを明らかにした。
扁桃病巣疾患
扁桃病巣疾患診療の手引きが作成されたことで、各関連科の医師にも本疾患における扁桃摘出術の有効性が示され、適応患者の耳鼻咽喉科への紹介が多くなり、扁桃摘出術の恩恵を得る患者が増える可能性が示された。また、扁桃と病巣疾患を結びつける基礎的エビデンスが更に肉づけされたことで、本疾患における病態の理解だけにとどまらず、類似の臨床的側面を持つ自己炎症性疾患や炎症性腸疾患の病態にも肉薄できる可能性が示唆された。