研究課題/領域番号 |
20K09771
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村岡 勇貴 京都大学, 医学研究科, 助教 (00739089)
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研究分担者 |
宮田 学 京都大学, 医学研究科, 助教 (00548505)
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 教授 (40402846)
宇治 彰人 京都大学, 医学研究科, 臨床准教授 (60534302)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 網膜 / 視細胞 / グリア細胞 / ミューラー細胞 / 細胞の生体イメージング / 毛細血管瘤 |
研究実績の概要 |
ヒト生体の網膜構造の細胞レベルのリアルタイムイメージングのため、我々は、補償光学 adaptive optics (AO)を適用したscanning light ophthalmoscope (SLO) (AO-SLO), optical coherence tomography (OCT) (AO-OCT) の開発に携わっている。これらの眼底イメージング器機を用いて正常眼、網膜静脈閉塞症患者、その他黄斑疾患患者の黄斑部網膜を撮像した。AO-SLOを用いた探索では、網膜静脈閉塞症の黄斑浮腫に関与する毛細血管瘤の構造と内部の血流動態の可視化に成功し、これらが黄斑浮腫の程度 (フルオレセイン蛍光眼底造影における色素漏出の程度)と関連することを見出し、同内容をまとめた英語論文が国際誌(査読あり)に採択された (Kadomoto S, Muraoka Y et al. Biomed Opt Express. 2020)。AO-OCTを用いた探索では、ヒトの黄斑部網膜において、錐体視細胞やミューラーグリア細胞の個々の細胞の形態をヒト生体網膜においてはじめて可視化することに成功した。内容の一部を第59回日本網膜硝子体学会で発表 (加登本伸、村岡勇貴ら)し、この内容は同学会の優秀演題に採択された。現在、この内容の一部を述べた英語論文を国際誌に投稿し査読過程である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今まで生体にて捉えることができなかった網膜視細胞・グリア細胞の個々の細胞レベルの構造を初めて可視化することができつつある。しかし、疾患眼での検討が中途である。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの代表的な網膜循環疾患を中心に、疾患眼の黄斑浮腫とこれら網膜細胞の形態変化の関連を検討していく。また、動物に対して撮像可能な前眼部レンズを開発し、動物モデルにおける検討を追加していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍にて、予定学会への現地参加を見合わせたため、旅費・人件費が所定の金額に届かなかったため
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