研究課題/領域番号 |
20K09775
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 枝里 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (60622602)
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研究分担者 |
井上 俊洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)
藤本 智和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50756426)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エキソソーム / 緑内障 / 線維柱帯細胞 / シュレム管内皮細胞 |
研究実績の概要 |
線維柱帯(TM)とシュレム管(SC)は、房水流出経路の主経路で、TM細胞とSC内皮(SCE)細胞は眼圧制御に関連するがこれらの細胞同士がお互いに関与しているかは不明である。エキソソームは細胞同士のコミュニケーションのツールで、TM細胞とSCE細胞の相互作用にエクソソームが寄与しているかどうかを調べた。TM細胞はエクソソーム分泌し、緑内障眼の状態を実験的にTGF-betaと一型コラーゲン刺激で模した間葉系性質を持つTM細胞と、コントロールのTM細胞では、エクソソームに内包されるmiRNA(exomiRs)の種類が異なることを明らにし、Col-1またはTGF-beta2刺激後にmiR-23a-5pが低下し、miR-3942-5pおよびmiR-7515レベルが上昇した。TGF-beta2刺激下でのmiRNA-mRNAネットワークは複雑で、Col-1刺激下では、3つのmiRNAと予測される遺伝子との間につながりはなかった。GOおよびKEGG解析の結果、同定されたmiRNAは炎症反応を含む様々なシグナル伝達経路と関連していることが判明した。さらに、miR-7515ミミックで処理したSCE細胞は、VEGFA、VEGFR2、PECAM、Tie2発現の増加を示した。緑内障眼の線維柱帯組織を解析すると、電子顕微鏡像でエキソソームを認め、組織学的にもエキソソームマーカーの発現を認めた。これらから、TM細胞はエキソソームを介してSCE細胞の受容体発現を制御し、miR-7515はSCE細胞のリプログラミングに重要である可能性がある。
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