脈絡膜血管新生を伴う滲出型加齢黄斑変性は失明の原因であり、近年急速に増加しつつある。加齢や環境により酸化ストレスが蓄積した結果、黄斑部障害、炎症惹起、そして血液網膜関門の破綻、やがて脈絡膜血管新生が滲出型加齢黄斑変性につながると考えられている。間葉系幹細胞由来の細胞外小胞(MSC-EV)は眼疾患に対する効果を本研究で明らかにした。MSC-EVは抗酸化ストレス・抗炎症、バリア修復といった網膜の保護修復作用が認められ、その結果として脈絡膜血管新生を抑制することが考えられた。従来の新生血管を標的とする分子標的薬や抗体療法に加えて、MSC-EV投与による滲出型加齢黄斑変性に対する治療効果が期待される。
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