1)角膜全層切開後の線維瘢痕化増強、2)角膜上皮創傷治癒過程での角膜内知覚神経の再生遅延、3)角膜新生血管や角膜リンパ管新生の促進)について、S tat3阻害薬、デキサメサゾン、IL-6抗体局所投与のMuc16欠損マウスでの病態の治療効果を検討した。<1> S31-201(Stat3阻害薬、0.004% DMSO、Sellek Chemicals)または0.004% DMSO、<2> デキサメサゾン(0.1%)またはPBS の2セットを作成した。Muc16欠損マウスで1)、2)または3)の処置の48時間前から6時間ごとに各々を点眼して同様の評価を行い、S tat3阻害薬、デキサメサゾンの治療効果の有無を検討した。<1>、<2>とも1)角膜全層切開後の線維瘢痕化増強、2)角膜上皮創傷治癒過程での角膜内知覚神経の再生遅延、3)角膜新生血管や角膜リンパ管新生の促進)をやや抑制したが、有意なレベルではなかった。Muc16欠損マウスで、<3>抗IL-6-rat IgG中和抗体 2μg/200μL(InvivoGen社)の結膜下注射直後に1)、2)または3)の処置を行い、その後3日毎に注射した。コントロールにはラット非特異的IgG(R & D社)を用いた。同様の評価でIL-6中和抗体の治療効果の有無を検討した。1)角膜全層切開後の線維瘢痕化増強、2)角膜上皮創傷治癒過程での角膜内知覚神経の再生遅延、3)角膜新生血管や角膜リンパ管新生の促進)をやや抑制したが、有意なレベルではなかった。
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