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2022 年度 実施状況報告書

遺伝性角膜疾患に対する遺伝子治療実現のための基盤技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K09808
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

臼井 智彦  国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (80282557)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード遺伝性角膜疾患
研究実績の概要

令和4年度に引き続き本年度においても、我々が作製したTGFBI角膜ジストロフィモデルマウスである、TGFBI-R124C変異マウスを用い、clustered regularly interspaced short palindromic repeat (CRISPR) - CRISPR-associated 9 (CRISPR-Cas9)システムによる遺伝子編集について、その再現性について検討を行った。しかし動物飼育について、交配がうまくいかなくなったことから、胚保存より起こし、新たに実験用マウスの樹立を試みている。このようなCRISPR-Cas9システムはTGFBI角膜ジストロフィのみならず、他の遺伝性疾患にも有用であり、別の遺伝性角膜疾患である、フックス内皮角膜変性症においても、疾患モデルやCRISPRを用いたコンストラクトの検討と開発も行った。
TGFBI角膜ジストロフィは角膜混濁を来すことから視機能が低下するが、その混濁形成に関するメカニズムはほとんどわかっていない。そのメカニズムの解明は遺伝子治療確立のために重要である。そのためTGFBI角膜ジストロフィ患者の手術検体より採取した角膜実質細胞からのcell lineの樹立し、in vitroでの解析を試みた。現在R124H, L527R、A546Rなどいくつかの変異細胞のprimary cultureを作製している。またコントロールとしては実験用ヒト角膜(アメリカより輸入)から角膜実質細胞のprimary cultureを作製し、現在不死化に向けた準備を行なっている。さらに、実際のTGFBI角膜ジストロフィ患者において混濁がどのように視機能に影響しているか、についての臨床研究も試みた。TGFBI角膜ジストロフィ患者の各病型に対して前眼部光干渉断層計を用い、フーリエ解析を行ったところ、格子状角膜ジストロフィでは前後面の不整性が視力に影響し、一方顆粒状角膜ジストロフィでは散乱がより強く視力に影響していた。同じTGFBIジストロフィであっても混濁様式が変われば、視力に影響している因子が異なることが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物飼育が様々な事情が絡み、進まなかったことが大きい。

今後の研究の推進方策

引き続き動物飼育をトライするとともに、in vitroでの解析や臨床研究についても進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究が遅れたため(特に動物飼育)。令和5年度にcell line確立や動物実験再開に向けて使用予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Corneal irregularity and visual function using anterior segment optical coherence tomography in TGFBI corneal dystrophy2022

    • 著者名/発表者名
      Abe Yuito、Omoto Takashi、Kitamoto Kohdai、Toyono Tetsuya、Yoshida Junko、Asaoka Ryo、Yamagami Satoru、Miyai Takashi、Usui Tomohiko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 13759

    • DOI

      10.1038/s41598-022-17738-3

    • 査読あり
  • [学会発表] TGFBI遺伝子のL527R変異に伴う片眼性格子状角膜ジストロフィの1例2023

    • 著者名/発表者名
      池田瑞希、臼井智彦
    • 学会等名
      角膜間ファランス2023
  • [学会発表] CRISPR-Cas9によりTCF4遺伝子のCTGリピート伸長FECD細胞モデル2022

    • 著者名/発表者名
      陳リイ、大内靖夫、神川あずさ、橋本友美、北本昴大、豊野哲也、相原一、臼井智彦、宮井尊史
    • 学会等名
      第126回日本眼科学会総会
  • [図書] 最新主要文献で見る眼科学レビュー 2021-2022  6. 角膜疾患2022

    • 著者名/発表者名
      臼井智彦
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      総合医学社

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公開日: 2023-12-25  

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