研究課題/領域番号 |
20K09811
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
島崎 潤 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40170930)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 羊膜 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム |
研究実績の概要 |
羊膜は創傷治癒促進効果や抗炎症作用があるだけでなく血管のない免疫寛容組織として欠損組織の代替えに移植されるなど、数多く臨床の場で使用されてきた。しかし、その効果や作用のメカニズムについて不明な点が多い。我々はこれまでに羊膜から分離した間葉系細胞を骨芽細胞や神経細胞へ分化誘導させることに成功し、その間葉系細胞の培養上清が角膜上皮の創傷治癒を促進することを報告してきた。これらのことから、間葉系細胞から放出される因子(セクレトーム)は角膜上皮の創傷治癒を促進することが推察される。本研究では、羊膜から分離した間葉系細胞を用いて、角膜上皮創傷治癒を促進するセクレトーム、特に再生医療でも注目されている細胞外小胞体(エクソソーム)を分離し、角膜上皮創傷治癒モデルならびにドライアイモデルを作成し、その効果とメカニズムを明らかにすることを目的としている。本年度においても羊膜由来間葉系細胞からCD9ならびにTSG101の発現するエクソソームの分離を行ってきた。分離したエクソソームを培養上皮作成中における効果と上皮シート創傷治癒モデルを作成し、エクソソームの創傷治癒における効果を現在観察中である。今後もさらに羊膜由来間葉系細胞からのエクソソームの解析を行うとともに、ウサギに相性治癒モデルを作成し、エクソソーム添加による効果の観察を行う予定である。また、ドライアイへの効果を観察するため、ウサギドライアイモデルを作成する。AMF由来エクソソームを点眼し、炎症細胞、血管新生、角膜混濁、上皮化等に対する影響を観察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
羊膜由来間葉系細胞の培養上清からエクソソームの分離を行って、上皮シート作成への効果や上皮シート創傷治癒モデルにおける効果について現在検討中であり、概ね順調に行えていると考えられる。分離したエクソソームの解析は2022年度においても行って、エクソソームであることを確認しながら、次のステップに進められればと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらに羊膜由来の間葉系細胞からのエクソソームの解析を行うとともに、ウサギ創傷治癒モデルを作成し、エクソソーム点眼による効果を観察する予定である。また、ドライアイへの効果を観察するため、ウサギドライアイモデルを作成し、眼表面への効果を明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究自体は概ね順調に進められているが、物品の調達が難しいものがあり、発注等の遅れがあるなどコロナによる影響が多少あったため、次年度使用額が生じたと考えられる。その分については継続して行う予定のエクソソームの解析で使用する予定である。
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