我々はこれまでに羊膜から分離した間葉系細胞の培養上清が角膜上皮の創傷治癒を促進することを報告した。本研究では、羊膜由来間葉系細胞培養上清から細胞外小胞体(EVs)を分離し、その解析と角膜上皮創傷治癒モデルへの効果について検討した。羊膜由来間葉系細胞の培養上清から分離したEVsは直径156±5.9nmを多く含み、EVsのマーカーを発現していた。EVs添加により培養角膜上皮の重層化が促進され、未分化マーカーの発現も維持されていた。ウサギ角膜上皮創傷治癒モデルにおいても創傷治癒が促進する傾向を示した。羊膜由来間葉系細胞から放出されたEVsは一部角膜上皮創傷治癒促進効果を担っている可能性が考えられた。
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