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2021 年度 実施状況報告書

角膜内皮細胞における一次繊毛の角膜内皮疾患との関連性および機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K09832
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

谷岡 秀敏  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90171834)

研究分担者 外園 千恵  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30216585)
戸田 宗豊  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30550727)
上野 盛夫  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40426531)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードprimary cilia / 細胞周期 / 角膜内皮 / ヒト / サル
研究実績の概要

研究の目的:角膜内皮細胞に存在する一次繊毛(primary cilia: PC)の機能 存在意義は殆ど知れておらず、これらを解明して、様々な角膜内皮疾患の理解の進展に寄与する。
今期の研究実施計画:角膜内皮皮細胞における細胞周期とPCの関係を解明する。
今期の成果:角膜内皮細胞は定常状態では分裂増殖しないとされており、ほとんどの細胞が細胞分裂の休止期(G0)にあると考えられている。また、一般的にPCは主にG0期の細胞に存在することも知られている。角膜内皮細胞の細胞周期を、蛍光色により判別することの出るFucciで利用されているGemininとCdt1の発現、細胞増殖期に発現するKi67共に、PCを識別できる抗AcαT抗体を用いて共染色を実施した。角膜内皮細胞における細胞周期の実態とPCの有無との関係を有するのかヒト培養角膜内皮細胞により検討を行った。その結果、PCが発現する細胞全てがG0細胞ということでは無い結果である。現在、結果の再現と染色方法の妥当性を、細胞周期を調節できる血清飢餓の条件を用いて検証中である。摘出直後の正常ヒト角膜を実験に用いることは出来ない。その代替として、正常サル摘出眼球の角膜内皮における一次繊毛の発現を、走査電子顕微鏡およびアセチル化αチューブリンにて免疫染色を行い、蛍光顕微鏡にて観察した。サル角膜内皮における一次繊毛の発現は、中央部でほとんどなく、周辺部で一部細胞に見られるというヒトでの既報と同様の結果が得られた。角膜移植および緑内障手術時に摘出した角膜内皮について、PC発現について免疫染色で確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒト角膜内皮の培養用のドナー角膜の全て、および角膜移植用のドナー角膜の大半は米国より提供を受け実施している。世界的な新型コロナウイルスの蔓延により、米国からのドナー角膜の輸入の遅延、減少および培地の供給停止・遅延により、研究用の培養角膜内皮細胞の作製、角膜移植手術が減少した。
そのような状況下においても細胞周期に関する検討おこない、一定の結果を得ている。また、サル摘出眼球の角膜内皮における一次繊毛の発現に関して、2022年4月に開催された第126回日本眼科学会総会にて成果を発表した。

今後の研究の推進方策

細胞周期に関する検討(継続):前期の細胞周期の染色方法を検証して、品質の違い、培養日数の違う培養細胞における、細胞周期とPC発現の関係を明らかにする。
眼炎症とPC発現との関係を解明;眼手術後や眼感染時には各種の炎症性サイトカインが増加することが知られている。炎症時の角膜内皮におけるPCの発現変化を知るため、lipopolysaccharide(LPS)あるいは各種の炎症性サイトカインを作用させた培養細胞について、PCを認識する抗AcαT抗体を用いた免疫染色行い、PCの存在割合およびその長さの変化について調べる。これにより、眼炎症とPCの関係を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

ヒト角膜内皮の培養の全て、および角膜移植用のドナー角膜の大半は米国より提供を受け実施している。世界的な新型コロナウイルスの蔓延により、米国からのドナー角膜の輸入の遅延・減少、培養用培地の供給ストップにより、研究用の培養角膜内皮細胞の作製、角膜移植手術が減少した。そのため研究用の試料が減少し、実験器具・試薬等の購入が減少した。
次年度は少なかった例数の積み上げを行うため、実験の遂行に必要な物品の購入にあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] サル摘出眼球の角膜内皮における一次繊毛の発現2022

    • 著者名/発表者名
      出口 英人、谷岡 秀敏、堀内 稔子、外園 千恵
    • 学会等名
      第126回日本眼科学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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