研究課題
加齢とともに徐々に網膜視細胞死による視野狭窄が進行し、最終的に視機能を喪失するため、高齢化社会においては社会問題となる。そこで本研究では、患者体細胞から樹立した人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell; iPSC)を用いて網膜3次元オルガノイド培養を行い、網膜色素変性の病態を解析している。この方法では、患者の遺伝子変異を保持したiPSC由来の網膜細胞を、3次元構造により網膜の微小環境を模倣した状態で分化誘導することが可能であり、疾患病態の研究に適している。さらにiPSCの段階で遺伝子改変の技術を用い、網膜視細胞に分化した際に蛍光標識されるようにしておくことで網膜視細胞選択的解析を可能とするシステムを構築する。網膜色素変性の病態を解析し、薬物効果のメカニズムを探ることで、遺伝子変異があっても網膜異常をきたさないための日本発で世界初の新規治療薬の開発につなげる研究である。2020年には患者iPS細胞が分化誘導した際に、視細胞が蛍光を発するように遺伝子改変することに成功し、3次元オルガノイド培養を開始した。
2: おおむね順調に進展している
既に患者由来iPSCは入手され、遺伝子改変の技術を用い、網膜視細胞に分化した際に蛍光標識されるようにする細胞株を作製中である。
膜視細胞に分化した際に蛍光標識されるようにする細胞株を用い、網膜3次元オルガノイド培養を行い、病態解析を進める予定である。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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