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2022 年度 実施状況報告書

β3インテグリン遺伝子導入ヒト表皮角化細胞を用いた難治性潰瘍に対する新規再生医療

研究課題

研究課題/領域番号 20K09847
研究機関岡山大学

研究代表者

久保 美代子  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (00098609)

研究分担者 牧野 英一  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (90314674)
山本 健一  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00711798)
木下 理恵  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40518297)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードβ3遺伝子導入ヒト表皮角化細胞 / 難治性潰瘍 / フィブリンゲル / 変性コラーゲン / 正常ヒト表皮角化細胞 / フィブロネクチン / α5インテグリン / β3インテグリン
研究実績の概要

難治性潰瘍部には変性コラーゲン(gelatin: GEL)も多く局在する。本年度はGEL上での正常ヒト表皮角化細胞(NHK)とαvβ3発現HKのin vitro細胞増殖について調べた。96 well plateを用いて、4日間の細胞増殖アッセイ(CCK-8 assay)を行った。Sigma社製gelatin (豚皮膚、type A)を2種類の方法:(a)オートクレーブ法(121℃、20分)、(b)煮沸法(50℃、20分)で調整し、種々の濃度(0-20,000 μg/ml)のGEL上でNHKとαvβ3発現HKとを培養した。無血清・低Ca 培地(KGM-Gold BulletKit、Ca濃度: 0.1 mM)を使用した。その結果、NHKの細胞増殖は、両GELともその低濃度 (10-100μg/ml)で著明に減少した。そしてオートクレーブ法での高濃度GEL (1,000-20,000μg/ml) でNHKの細胞増殖の増加はごく軽度であったが、煮沸法での高濃度GEL(1,000-20,000μg/ml)ではNHKの細胞増殖が著明に増加し、αvβ3発現HKのそれと同じ程度であった。またαvβ3発現HKの細胞増殖はNHKに比べて煮沸法での高濃度GEL上でのそれを除くすべてで有意に増加した(Student's t-test: p<0.0001) 。
同アッセイ後の細胞形態については細胞増殖が抑制されたNHK(両GELとも10-100μg/ml)で細胞伸展が著明に減少した。加えて、同NHKではF-actin、vinculin分布の著明な減少があった。また、αvβ3発現HKではNHKに比べてフィブロネクチン分布が増加した。さらに、煮沸法GEL高濃度(10,000μg/ml)においてαvβ3発現HKでα5、β3インテグリン発現の増加、NHKでα5インテグリン発現の増加があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の状況で研究体制がかなり制限された時期があったため。

今後の研究の推進方策

1. NHKあるいはαvβ3発現HKと線維芽細胞とを併用投与した際のフィブリン(FB)ゲル上でのin vitro細胞機能 (接着、増殖、移動) を調べる。
2. NHKあるいはαvβ3発現HKと線維芽細胞とを併用投与した際のin vivo難治性潰瘍モデル(フィブロネクチン除去FBゲル使用)における細胞機能(生着率、再上皮化)への効果を検索する。また、FBにGELを混合したゲル上でのin vivo細胞機能(生着率、再上皮化)への効果も調べる。
3. αvβ3発現HKを臨床で使用する際の安全性をさらに確認するために実験を繰り返し、n数をふやす。
4. αvβ3発現HKの創傷治癒促進 (再上皮化促進) 効果の分子機構を網羅的RNAシークエンス解析等によりさらに解析する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の購入について予定よりも安価に抑えることができたため、次年度使用額が生じた。残額については令和5年度の実験に必要な消耗品等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 正常ならびにβ3インテグリン遺伝子導入ヒト表皮角化細胞のgelatin上での細胞増殖に違いについて2023

    • 著者名/発表者名
      久保美代子、山本健一、木下理恵、阪口政清
    • 学会等名
      第22回日本再生医療学会総会

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公開日: 2023-12-25  

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