研究実績の概要 |
本研究ではHMGB1およびLL37含有軟膏による糖尿病性足病変(潰瘍)に対する治療薬の開発を目指した。①正常皮膚角化細胞を用いた単層培養細胞、三次元培養表皮に対し皮膚科領域細菌群(GroupB Streptococcus, Group A Streptococcus, S,aurus, MRSA)による創傷遅延モデルの作成を試みた。その後LL37、Dermocidinをはじめとして皮膚に発現する抗菌ペプチド群、HBGB1, HMGB1-A Boxを各々①で構築したシステムに作用させ、創傷遅延の改善と炎症性サイトカインの誘導あまたは抑制について評価を行った。三次元培養皮膚による各層におけるHMGB1群の発言を免疫蛍光染色、qRT-PCRを用いて観察した。糖尿病マウスおよびTLR3ノックアウトマウスの背部作成した潰瘍に抗菌ペプチド群およびHBGB1群を単独または複合して外用する各種創傷モデルを作成した。皮膚抗菌ペプチドおよびHMGB1含有軟膏を数種類作成し、これによる炎症反応を比較検討した。1.コントロール PBS 30μl 2. HMGB1 10μl+PBS20μl、3.LL37(1mM)10μl+PBS20μl 4.HBGB1 10μl+LL37(1mM)10μlPBS10μl 5.HMGB1 10μl+LL37 (1mM) 20μl 6, HMGB1 20μll+LL37 (1mM)10μlをパッチテスターにしみこませて背部潰瘍に貼付し、テガダームで固定して創傷治癒を観察した。1.コンロールと3.LL37単独が14日目に上皮化した。それぞれの14日目の病理組織像を検討したところ上皮化していないものは痂皮化が強いことがわかった。マウスの背部においても乾燥を予防して観察する必要があると考えられ、軟膏基材を変更して検討中である。
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