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2021 年度 実施状況報告書

in vivo遺伝子導入による軟骨再生医療への展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K09853
研究機関帝京大学

研究代表者

山岡 尚世  帝京大学, 医学部, 講師 (10444085)

研究分担者 丸山 一雄  帝京大学, 薬学部, 特任教授 (30130040)
鈴木 亮  帝京大学, 薬学部, 教授 (90384784)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード脂肪幹細胞 / 軟骨再生 / 遺伝子導入 / リピッドバブル / Sox9 / TGF-β / BMP-2
研究実績の概要

本研究の目的は、安全で確実な軟骨組織再生の方法を確立し、早期の臨床応用を目指すことである。本研究では脂肪幹細胞をTGF-βを含む軟骨分化培地を用いて軟骨細胞に分化誘導し、得られた細胞をマウスに移植した後、移植部位でSox9を遺伝子導入し、軟骨組織再生への効果を検証した。遺伝子導入の方法はすでに開発されているリッピドバブルを基本に、プラスミドDNAとの親和性を高める目的で正荷電脂質を添加した新開発遺伝子導入用正荷電リピッドバブルを用いた。Sox9遺伝子導入により遺伝子レベルでのアグリカンの発現の高値やタンパク定量でプロテオグリカンの蓄積がみられたものの結果は不十分であった。軟骨分化関連遺伝子にはTGF-βの他Sox9、BMP-2が挙げられるが、幹細胞が軟骨に分化していく過程の初期にこれらの遺伝子が作用していると考えられる。そこで本研究では軟骨細胞に分化した後にSox9を遺伝子導入するという方針から脂肪幹細胞に直接これら複数の遺伝子導入を試みるという方針に変更した。In vivo実験で脂肪幹細胞を軟骨細胞分化の過程を経ずに1%アテロコラーゲンハイドロゲルと混和したものをヌードマウスの皮下に注射し、これにTGF-β、Sox9、BMP-2発現プラスミドDNAと新開発正荷電リピッドバブルの混合物を注入し超音波照射をする。この操作を週1回4週間繰り返す。ヌードマウス背部皮下に移植から2か月経過した後摘出し得られた検体を組織学的、生化学的、力学的に評価しそれぞれの項目について生理的軟骨組織との比較検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、ヌードマウスを用いたin vivo実験を継続中である。ゲル濃度については一定の結果がみられたが、まだ強度が不十分であるため引き続き検討が必要である。軟骨細胞へのSox9遺伝子導入による効果については、遺伝子レベルではアグリカンの発現が高値になり、タンパク定量ではプロテオグリカンの蓄積がみられ、軟骨再生の所見がみられたものの肉眼的には軟骨基質形成が不十分であった。強度が十分な軟骨組織を得ることを目指しているため状況としてはやや遅れている。

今後の研究の推進方策

これまでは脂肪幹細胞をin vitroでTGF-βによって軟骨細胞に分化させた後にSox9遺伝子導入を試みていたが軟骨基質形成が不十分であるためin vitroの過程を経ずに脂肪幹細胞から直接TGF-βおよびSox9の遺伝子導入を試みる。また、同時にBMP-2の遺伝子導入も検討する。また、ゲル濃度については一定の結果がみられたが架橋など、より最適なゲル強度の条件を今後も検討していく。

次年度使用額が生じた理由

研究の方針に一部変更があったため新たな試薬の購入など想定よりもやや使用額が高くなった。また引き続きin vivo実験で動物の追加購入が必要になった。しかし、ほぼ想定内の予算で施行できており次年度の予定額について大幅な変更は必要ないと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] In vivo 遺伝子導入による軟骨組織再生の試み2021

    • 著者名/発表者名
      山岡尚世
    • 学会等名
      第31回日本形成外科学会基礎学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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